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溶けない氷 ページ1

暗い中、何も話さずに歩く。

聞こえるのは私達が歩く音と、鈴虫の音。


『…では、私はここで。』

「そういう訳にもいかない!」

『後、少しですし。それに…』


私と貴方が共に居たら、

双方の一族が黙っていないでしょうから。


そう言うと、煉獄さんは大人しく引き下がった。

私達の一族の安泰の為に、だ。

…私の家、氷室家はその昔、煉獄家を怒らせた。

幼い頃、母には、


「いい?煉獄家は妄言を吐き散らかす輩の集まりなのよ。」


そう教えられた。

どうやら、何かがあったのだろうと推測はつく。

が、その話題は一族では禁忌の話として扱われていた。

だから、私は何も知らない。


『本当にありがとうございました。』

「あぁ。…念の為、これを渡しておこう。」


そう言って手の平に「藤」と書かれたお守りを渡された。

ふわり、と藤の花の香りが鼻を擽る。


『鬼避けですか。ありがとうございます。』

「じゃあな。もう会う事もあるまい。」

『えぇ。』


早く帰って、明日に備えて寝なければ。

明日は待ちに待った柱合会議なのだから。




翌日




朝日の光で目が覚めた。

時計を見ると、あと4時間。


『…目が覚めた…柱合会議…行かなきゃ…』

「お嬢。…もう起きてやしたか。」

『ん…テツ、朝餉は?』


襖の外に話しかける。

鬼殺隊の隠であるテツだ。


「もう出来ております。」

『ふ、そこは「やす」じゃないのね。』


隊服に着替えて鏡の前でくるりと回る。

テツが「…う、」と声を上げた。


『…朝餉、お願いね。』

「はい!」


朝餉を食べた後、テツにおぶわれて鬼殺隊の本部に向かった。


『ありがとう。』

「いえ。ではこれで。」


中庭に通る道を覗くと、どうやら一般隊士が責められているようだ。

突然、「氷室A様。」と声がかかった。


『はい?』

「こちらへどうぞ。」


そう言われて招かれたのは、とある部屋に続く部屋。

ちなみに、声をかけたのは白髪の女の子。

…襖を一枚挟んで女の子のうめき声がちらちらと聞こえる。

落ち着かない。


『…ねぇ、』


声をかけようと振り向くと、あの女の子はどこかへ行ってしまった。

何だったんだろう。

なんだか狐につままれた気分だ。


『はぁ…』


ため息を着くと、スッ、と襖があいた。


(ひょう)柱A様、こちらへどうぞ」


そう言われて、中庭へ続く部屋に出る。



…私が驚くまで、あと2秒。

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れーー - つづき待ってます (2020年10月29日 22時) (レス) id: 69c853c22b (このIDを非表示/違反報告)
泣き笑い(プロフ) - かりんとうさん» かりんとうさんこの前もうちの作品にいらしてませんでした?結婚しまs(( (2020年10月29日 21時) (レス) id: 676011e8bc (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 題名に惹かれました←←  好きです←←←  契約書にサイn(((殴←←←←        ゴメンナサイほっておいて大丈夫です。 (2020年10月29日 19時) (レス) id: 0a870a00f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:泣き笑い | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月28日 19時

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