# ulfr Raul ページ50
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『 いたっ 』
「 痛い？」
『 そりゃ、噛まれたら痛いでしょ 』
「 一応、甘噛みにしてるんだけどなぁ 」
恋人ラウールによる噛みつき。
付き合った当時はとっても驚いたけど
もう噛まれてもそこまで驚かなくなってきた。
......とは言っても、突然噛まれたら未だにびっくりする。
噛まれて少しジンジンする耳に手を当てる私と
もっと加減を考えなきゃ！と顎に手を当てるラウ。
いやいや、考えるべきなのは そこじゃないのよ。
『 普通、恋人に噛みつかなくない......？』
「 えっ、そうなの？」
『 そうでしょ 』
ラウにとって私は 初めての恋人 らしいけど......
異性との交際が初めてでもわかる。
「噛む」なんて行為、普通のカップルは多分しない。
「 僕にとっての 愛情表現 なんだけどな...... 」
「 一時期 めめの耳にも噛み付いてたし 」
『 目黒くんは なんて？』
「 いや、なんも言わずに噛ませてくれた 」
「 最終的には 無 だったからね 」
『 流石、ラウール係...... 』
目黒くんの仏具合にびっくりしたと同時に
私もその領域まで行かねば...！という気持ちに駆られた。
......待てよ、行く必要あるのか？
「 なんかね、僕の ラウール って名前 」
「 ウール？の部分に 狼 っていう意味があるんだって 」
「 で、しかもしかも！ しかもね！」
「 狼の愛情表現が 甘噛み なの！」
「 多分前世が狼だったんだろうね〜！」
「 ってことで、」
『 いやいや 噛む理由にならないからね？』
『 ちょっと、あ"っ、いたい 』
胸を押して抵抗するも、流石に二回り大きい男には敵わず。
首やら 耳やら 指やら、私の至る所に噛み付くラウ。
歯型はつかないから、手加減してくれてるんだろうけど
19歳男性に がぶがぶとされれば それなりに痛い。
『 い"っ、うぅ...... 』
『 らう、いたいよ 』
私の訴えで 頚部から口を離して 目線を合わせてくれたラウール。
真っ黒な瞳は、私を捕らえて逃がさない。
ポーっとその瞳を見つめていたら
ニヤッと笑ったラウールが 私の唇に優しく噛みついた。
「 僕からの愛だと思って、受け止めてよ 」
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(オオカミに I change up)
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作者名：アンスリウム | 作成日時：2022年6月19日 17時
