【短編集】Imitation (ページ42)

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# アクスタ戦争 Juri Tanaka ページ42

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(樹 side)

「ずーっとスマホ構ってんじゃん？」

「ねーねー、Aちゃん？」

『ちょっと、今忙しい』

「まあ、見てたらわかるけど」

「俺は？俺」

『またあとでね！』

またあとでね！なんて2時間前も聞いたような......

一応今日はお泊まりデート。のはず。

なのにAはずっとスマホとにらめっこ。

超高速でリロードのボタンを連打したり

コピペしてコピペして...って忙しそう。

たまに『あ"ー！』なんでイライラした様子で

発狂したりもしてる。

なんで彼女が荒れ狂ってるのに俺がこんな冷静かって？

「俺ここにいんのにアクスタも買うの？」

「別に等身大の俺いるからいいじゃん」

殺伐の原因アクスタ販売があることを知ってて

それをAが『死んでも手に入れる』って

前々から言ってたのも知ってたから。

ただそれだけよ。

『本物の樹は忙しいから中々会えないじゃん！』

『それに、手乗りサイズの樹とか可愛いし』

『普段おおっぴらにデートできない分』

『ちっちゃい樹連れて色んなところ行くの』

「動機可愛いな」

俺と話しながらも必死にリロードを続けるA。

そんなAをソファの背もたれに頬杖ついて見守る

アクスタのご本人様、つまりAの推しこと俺。

結構意味わかんないけどね、この構図。

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