【短編集】Imitation (ページ34)

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# 無口 Ren Meguro ページ34

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行為後のピロートークタイム。

そういうムードが終わったあとは割とのんびり

頭が回りきらないまま二人でお話してる。

頬杖をついて私を横から抱きしめてる蓮。

なんとなく、今まで気になっていたことを聞いてみた。

『蓮、』

「んー？」

『蓮、怒ってる？』

「えっ、なんで？」

私の質問を聞いてガバッと勢いよく起きた蓮。

顔も今までにないくらいびっくりしてる。

「え？怒ってる、ように感じる......？」

『うん... 』

「えっ、嘘なんで？」

さっきまでのびっくりした顔から一転、

子犬のような可愛い顔で私を見つめる蓮。

多分だけど、怒ってはいないみたい。

...でもずっと気になってたし、聞いてみるか。

『シてる時、蓮ってずっと喋らないじゃん？』

『だから怒らすようなことしちゃってるのかなって... 』

普段からそこまで口数が多いわけではないけど

行為中の蓮の喋らなさは本当にすごくて......

私が名前を呼んでもキスで塞がれてしまうし

逆に蓮が私の名前を呼んでくれることは無い。

これなら私じゃなくてもいいんじゃないかとか

私もなんか悪いことしちゃってるのかなとか

行為後になって色々不安になってしまう。

「ごめん、普通にそこまで意識回ってなかった」

「全然！全く！怒ってないよ！」

「俺二つのこと同時にできないからさ、」

「 A可愛いなとかもっと気持ちよくさせたいなとか」

「そんなこと考えてシてるといっぱいいっぱいで」

「多分、口が、動かないんだと思う...... 」

『あ〜そういうこと？』

そういう理由か〜！とほっとひと安心していたら

ちょっと涙目な蓮に目一杯抱きしめられた。

怒ってないならいいんだよ！と背中を撫でたけど

うぅ......と蓮らしくない声が耳元で聞こえてくる。

「無意識とはいえ不安にさせてごめん」

「今度からいっぱい喋るわ」

『いや、そーいうわけでも...... 』

「喋ります、もう決めたから俺」

次の夜、蓮は宣言通り喋る努力をしてくれた。

改善しようと頑張ってくれたのは有難かったんだけど...

逆に喋りすぎて肝心の行為の方が本番まで進まず

途中からただのおしゃべりタイムになってしまった。

一時間話したくらいで我に返り反省し始めて

この日と同じように私に慰められる蓮でした。

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