【短編集】Imitation (ページ13)

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『えー、んー.......私どうしよっかな〜....... 』

『普通に、屋台見て回りたいかな...... 』

「 ......じゃあそれにお供させてもらおっかな」

ニコッと微笑んで私を見つめる阿部くん。

私の喋り方を真似してるあたりなかなかあざとい。

岩「じゃあ 2、2、2に分かれて行動ね」

深「あとで連絡して、再集合しよっか」

「了解！」

岩「 ......阿部ちゃんとLINE見ろよ？」

深「阿部ちゃん全然見ないかんね〜笑」

岩「もしあれだったらAちゃんに送るわ」

『あ、うんわかった！』

タピオカと射的の屋台に急ぐ四人を見送る。

その背中がある程度ちっちゃくなったあたりで

阿部くんが「行こっか」と声をかけてくれた。

その後は阿部くんと二人で屋台のご飯を食べたり

金魚すくいをしたりと夏祭りを満喫した。

歩いてる時に阿部くんの好きなものとか

休日の過ごし方なんていう話も聞けた。

もう、夢の中なんじゃないかってくらい楽しくて

スマホもろくに見ずにはしゃいじゃってたんだけど......

prrrr.....

かご巾着の中で鳴るスマホによって一気に現実に戻された。

画面を見ると【深澤辰哉】の文字。

『もしもし？』

深【あ！もうやっと連絡取れた〜！】

深【 Aちゃん LINE既読つかないし】

深【阿部ちゃんは電話繋がんないし】

深【マジどうしようかと思っちゃった笑】

『えぇ、ごめん......！』

岩【あれだけちゃんと見ろ！っつったのに！】

深【ふはは！照怒んないの！笑】

電話の奥の方から拗ね気味な岩本くんの声と

それに笑ってる友達二人の声も聞こえたから

多分向こうの二組は既に合流してるんだと思う。

深【集合場所、地図送っといたから！】

深【それ見て来て〜！】

『 OK！』

電話を切って、阿部くんに通話内容を伝える。

地図を見ると集合場所はわかりやすい広場。

2人とも場所を知っていたから、迷うことなく

スムーズに向かうことが出来そう。

「ここから歩いて10分、くらい？」

『それくらいかな？』

「空いてるし、結構すぐ着きそうだね」

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