君に失恋したから髪を染めた【羽風薫】 (ページ15)

今日:20 hit、昨日:62 hit、合計:51,763 hit

14話ページ15

14話
sideA

仁兎「おーいA〜？授業終わったぞー？」

なずなに話しかけられてハッとした。
ぼーっとしてた。

仁兎「大丈夫なのかー？最近すぐ思考が飛んでるぞー？」
A「あぁ大丈夫大丈夫」
仁兎「それなら良いんだけどなぁ？…俺、ガーデンテラスに行くけどAはどうする？」
A「桃李と約束してるから中庭行くよー」
仁兎「了解。じゃあまた後でなー」

なずなと別れ1人廊下を歩いていく。

薫「…あ」
A「…」

前方から薫が来ていた。
それに気づいていないふりをして歩いた。
少しだけ、胸の方がチクリとした。

でも、仕方ない。
私が悪いから。

桃李「おっそーい！」
A「ごめんごめん、弓弦もごめんね」
弓弦「いえ、お気遣いなく」
A「お腹すいたねー今日は何？」
弓弦「栄養満点なランチに仕上げて参りました」
桃李「弓弦のお弁当なの…？！」
弓弦「何かご不満でも？」
A「私は好きだよー。桃李も好き嫌いしちゃダメだよ」
桃李「うぅ、せっかくのランチデートなのにぃ」
A「ほら、頂こう？全部食べれたらいい子いい子してあげる」

子供扱いし過ぎたかな？
でも桃李は野菜もしっかり食べてる。

弓弦「A様にはいつも助かっております。どうか末永く坊っちゃまのことをよろしくお願い致します」
A「こちらこそ」
桃李「ちょっとぉ！僕をほっといて2人で会話しないでよねー！」

ランチは楽しかった。
桃李はひたすらかわいくって撫でくりまわしたくなった。

それでも心のどこかで考えてる。
薫のことを。

A(…全然、忘れられない)

どうすれば、忘れられるんだろう。