【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

#22 ページ23

｢な……なんで私？？何か悪いことしたんですか？？｣
｢よく考えてみろ｣


・三件の殺人は確実に同一犯。犯人は未だ犯行を続ける模様。
・Aは犯行直後の現場に度々出入りし、確実に犯人に顔を見られている

　沖矢はこの二点を、的確にAに説明した。


｢ウワァ確かに言われてみれば犯人とご対面してた……｣
｢昨夜も一方的に見られていた可能性があるしな｣
｢顔バレどころか邪魔者認定必至じゃありません！？｣


　現状を理解したAは頭を抱えた。


｢分かるか？不用意に出歩いて犯人の目に触れれば、狙われる可能性は高い｣
｢……っ｣
｢……怖がらせたのなら謝る｣


　Aは僅かに身体を強ばらせている。
　無理もない。普段から平穏な暮らしを大切にしている少女にとって｢自分が狙撃される可能性｣という話は、沖矢から見ても重たいものだった。
　

｢……こ、｣
｢？｣
｢こ〜なったら！！さっさと犯人とっ捕まえて事件を解決させるのが1番ですよねっ！｣


　狙われていると分かった時点で、堂々と立ち向かうことを選んだらしい。不安になったとしても勝手に立ち直ってしまうのは、なんとも彼女らしい。


｢(……そのせいで、毎回言葉をかけるタイミングを無くすんだがな)｣
｢てなわけで捜査会議始めましょっか！｣

──

｢えーと狙撃場所は隅田川を隔てたフロート船の上、サイコロの目は２……と。ふむふむ｣
｢……平然と覗き見してるが、FBIと日本警察の機密資料だぞ｣
｢大丈夫です、コナンくんもジョディ先生や高木刑事から捜査の情報盗みまくってると思うんで！｣
｢日本警察の情報管理が心配だな｣
　

　その後、二人はベルツリータワーを中心とした都心の地図を広げて写真を並べ、会話で整理した情報をペンで記入している。沖矢がどこからともなく取り出したサイコロも配置したことで、簡易的な捜査資料が出来上がっていた。


｢こうして並べると、やはり三件目は異質だな｣
｢私もそう見えます！場所は近いし一回ミスしてるし。あと時間も変ですよね｣
｢ホー？｣
｢朝５時なんて普通は寝てますよ。日が出てきたら眩しくて気が散るだろうし。まるでその時間に狙撃できる場所にいるのを知ってたみたいじゃありません？｣
｢……ふむ、一理あるな｣


　話し込んでいるうちにすっかり日が暮れ始め、二人はすっかり昼食を食べ損ねていた。


(わ、テレビつけたら昼間の報道よりもにオオゴトに……って、なんでみんな傘を？まさか今雨ッ！？)
(狙撃対策のようだな)
(あっなるほど洗濯物の心配するとこでした)
(事件の心配をしろ)

#23→←#21:3件目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す