【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

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「お願いっ！Aさん、この依頼受けてくれない！？」
「──はい！？」


　夏休みに入る直前の帝丹高校。
　私の目の前にはクラスメートの女子が立っている。両手で机を叩き詰め寄るその姿勢は、至って真剣な様子に見えた。


「あ、正確にはね？依頼してきて欲しいの。探偵の世良さんに！」
「真純ちゃん？……いや直に言いなよ。クラス隣なんだし」
「む、無理っ！！だって世良さん……ボーイッシュで、しかも帰国子女で！カッコいいじゃん！話しかけづらいじゃんっ！！」
「え〜？？」


　きゃあっと顔面を隠しながらはしゃぐ女子は、世良に頼むのを恥ずかしがっている様子だった。
　し、知らなかった、真純ちゃんがそんな高嶺の花ポジになっていたとは……。


「それに、Aさんから頼んだ方が早そうだしね」
「？？しょうがないな……じゃ依頼内容詳しく教えて」
「やった！はあーい」

──


「……とゆ訳で、ざっくり言うと身辺調査なんだけど」
「やるっっ！！」
「おう！？食い気味のお返事ッ！？」


　音速レベルで返事をした真純ちゃん。
　お、思わず飛び退いてしまった。すげえ勢いね……。


「そ、そんな即決で大丈夫なの？」
「だってAからの依頼だからな！」
「いや“私のクラスメート”の依頼だからね！？」


　真純ちゃんはそんな私の話を聞いているのかいないのか、いつも通り八重歯を見せて、満面の笑みで喜んでいる。やっぱり真純ちゃんはカッコいいというよりカワイイだよなあ〜(にっこり)


「じゃ、一緒に頑張ろうな♡」
「ん？」
「Aも一緒にやってくれるんだろ？身辺調査」
「えっあのっえっ」


　私の手を掴んでおめめをキラキラと輝かせている。どうやら「クラスメートから依頼されたんだけど一緒にやらない？」というお願いに聞こえていたらしい(なぜ？？)。否定するにしても協力しないのは……心が、痛い……！！


「違うのか？」
「違ッッ……うけど！！分かった、一緒にやる！！」


　ええいどうにでもなれ！と半ば投げやりになって言うと、シュンとしかけていた真純ちゃんは一瞬でキラキラモードに戻った。やれやれ、こうなったらやるしかないか、共同調査……。

──


「……って流れでベルツリータワーのオープニングセレモニーも調査範囲になったんですよ。そこに現れる可能性が高いので！」
「そうか」


　調査とはいえ、気の置ける友人(しかも自分の妹)との外出なら止める理由もない。楽しんでこいと伝えると、嬉しそうに微笑んでいた。


(俺は少し調べる事があるから家にいる)
(了解です！)

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