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五条「自分の為に生きる事も考えてみてほしい」
.
『(自分の為に生きるって…何)』
五条達が帰ってから
Aはそんなことを考えていた
目の前では
椿が手本の本を見ながら折り紙を折っている
そしてその膝の上には猫の憩が
『(私は当主、弱音なんか吐いちゃいけない
この屋敷や椿の為になる事は
私の為にもなる事、そうでしょう)』
椿「姉ちゃん?」
『!__ん?どしたん?』
いつの間にか眉を寄せて考え込んでいたA
椿が声をかけたことでハッとして
直ぐに顔を向けた
椿「見て!出来たで!」
『上手じゃね、上達しとるじゃん』
彼の小さな手には赤色の鶴が乗せられていた
椿「姉ちゃんにあげる!」
『え?私に…』
椿「うん!お守り!
呪術師は危ない仕事じゃろ?
じゃけん、怪我せんようにお守り!」
椿はその鶴をAに差し出した
ひとつひとつの作業を集中して行っていたのは
彼女にあげる物だったからのようだ
『…ありがとう、大事にするね』
Aはその鶴を椿から受け取った
−−−
閃「それでは"くれぐれも"、
お体に気をつけて…
自己犠牲はなさらぬ様お願いしますよ」
翌日、先に帰った者の元へAも帰る時が来た
閃はAに釘を指しながら言葉を伝える
前夜と午前は椿と共に長い時間を過した
夜は椿の頼みで一緒に風呂に入り、同じ布団で眠り
今まで空いた期間を埋め合わせるように
片時も離れずに互いの体温を感じあった
そして今は本家の門へ集まって
それぞれ尊敬する当主へ別れを告げている
広島から東京は新幹線で約4時間、
少し早めに本家を出ることにした様だ
椿「グスッ…ぅう"」
椿はAのスカートの裾を掴んで泣いている
やはり彼もまだ子供、
Aと離れるのが寂しいらしい
閃「椿君、そろそろ時間ですよ」
椿「や"ぁだ…っ"」
閃が止めても椿は首を横に振って
逆に彼女の足にギュッと腕を回して抱きついた
Aはそんな彼の頭を撫でながら閃に目をやる
『椿の事頼むよ、それからの事も』
閃「…ハイ」
『椿』
椿「っ?」
.
『また会いに来る、約束よ』
彼女は椿の小さな小指と指切りをした
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マリア - もう、何度も何度も読み返してます。本当にこの作品を愛してます。成り立ちも、感情描写も凄く繊細で美しく、引き込まれました。これからも、この作品を愛し続けます (7月16日 22時) (レス) id: 3821b6efdb (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅオタ - もう神作すぎるんだが……。この作品愛してる (2022年12月23日 23時) (レス) id: 96baaba9fd (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅオタ - え?絵も話も最高なんだが?あなたは神ですか?え??? (2022年12月23日 23時) (レス) @page37 id: 96baaba9fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - これからも頑張ってください! (2022年7月17日 12時) (レス) id: 5ace0f76be (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - イラスト上手過ぎ!!影の部分も細かい線や色使いも凄く丁寧に描かれていて凄いです!!話もしっかりまとまっていたり面白いところやシリアスなところが分けられていて今まで読んだ中で一番のお気に入りです! (2022年7月17日 12時) (レス) @page5 id: 5ace0f76be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘党組 x他1人 | 作成日時:2021年2月20日 20時