蝶の舞う呪い【呪術廻戦】 (ページ43)

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宿儺「いい、いいぞ

命を燃やすのはこれからだったわけだ

魅せてみろ！！伏黒恵！！」

宿儺が興奮した様に伏黒にそう叫んだその時＿＿

『"爆ぜろ"』

＿＿ｼｬﾝｼｬﾝ

宿儺「！！」

宿儺がその場を飛び退くと、
先程まで立っていたそこには

蝶がぶつかりクレーターが出来た

彼女は背中に複数の蝶を乗せて地面に降り立つ

『…早く虎杖に体返して』

伏黒「A！！」

そう、Aは起きていた

数分前伏黒の前に現れたあの蝶も

Aの意思で呼び出し飛ばしていたのだ

宿儺「…馬鹿な、確かに俺はお前を眠らせた

少なくとも今、この日に

目覚めることは無かったはずだ」

宿儺は心底驚いた顔をしている

Aはそれを見て少し鼻で笑うと

『…根性』

宿儺「…ククッ根性…そうか根性か！

お前には合わなそうな言葉だな

やはりお前が1番面白い！」

宿儺は予想外の行動をするAに

機嫌を良くして高笑いする

するとそこで、

自身の足で立っていたAがふらりと膝を着く

伏黒は直ぐに駆け寄った

Aは黙って深呼吸を繰り返す

伏黒「大丈夫か」

『うん、ちょっと、』

宿儺「その体でよくここまで飛んで来たものだ

呪力も底をついているだろうに」

2人を見下ろしながらそう言う

＿＿＿

＿＿数分前、木の下に居たA

その目は固く閉じられたまま、開く素振りはない

【A、Aちゃん、起きなさい

恵くんが戦っているわ】

脳内で誰かの声が響く

【A起きるんだ、まだ眠るには早い】

そのまま何度も何度も名前を呼ばれる

そして数秒後、彼女の目がゆっくりと開かれた

『…』

ザーッと雨が降りしきる中

目を開けた彼女は
濡れた髪を避けて指を合わせ蝶を呼ぶ

『"恵の所に行け"』

ふらふらする頭で呼び出した数匹を伏黒の元へ飛ばす

そしてそれを見届けて

また集中して指を合わせ蝶を呼ぶ

『………"私を恵の所へ連れてって"』

＿＿＿＿

『"起こされた"から来た、それだけ』

Aは床に手を着いて自分で立ち上がった

宿儺「お前は本当に面白い

見ていて飽きないな、

何がお前をそこまで燃やすのか気になるが

今後の楽しみにとっておこう」

そして宿儺が再び攻撃を始めようとした時、

Aも伏黒も

身構えるのをやめた