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・・・もう、今日は本当に散々だ。
稲荷崎から離れるなんて言って、背中を押してくれていた研磨の気持ちも知らずに、支えてくれようとしてくれた京治まで突き放して・・・つくづく最低だと思う。
「・・・そんで、俺のとこに来たってわけ。」
『・・・ごめん。』
こんなとき、素直に話せる相手は賢二郎しかいなかった。
「いいよ。それで、どうするか決まったの。」
『・・・それは・・・』
・・・私が稲荷崎に居続けたら、また前のように我慢する日々。
音駒に戻れば、研磨たちの気持ちを踏みにじることになる。
どちらも選ばず梟谷に行ったら、京治に甘えただけのただの自分勝手になる・・・。
・・・もう、私はどうしたらいいの。
『・・・いっそ東京にいたことも、稲荷崎でのことも、忘れられたらいいのにな。』
それは本心で言ったのか、自分でも分からなかった。
賢二郎は私の隣に座って、しばらく黙って聞いていた。
「・・・どうやっても、俺はお前の一番になれないのな。」
『え・・・?』
賢二郎が何かを言ったけど、声が小さくてよく聞こえなかった。
「・・・いや、なんでもない。確かに、全て忘れてどこか遠くにでもいけたらいいよな。」
『うん、そうだね・・・』
・・・そんなことが、本当にできたらいいのにな。
*.*.*.*.*.
シリアス展開続いてますが、次回の更新で完結させるつもりです、、あと少しだけお付き合いください、、!!
余談ですが、こちらが完結したら次回作として43巻の内容から、ハイスペックに成長した彼とのお話を書こうと思っています。需要があるか分からないので自己満です、すみません。
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水無月のぞみ - 私的には音駒か梟谷に行って欲しかった! (12月1日 16時) (レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
クリームうんちょ - すごく心残りがないお話でスッキリしました!!!!!お疲れ様です!!良い作品でした!! (2022年1月5日 15時) (レス) @page31 id: 64d596bd65 (このIDを非表示/違反報告)
inno - 完結おめでとうございます (2020年6月20日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 以前読ませて頂いたのですがとても素敵でした!更新待ってます! (2020年6月12日 23時) (レス) id: 96098a2a12 (このIDを非表示/違反報告)
inno - 白布くんかっこいい (2020年6月12日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小林 | 作成日時:2020年6月4日 19時