【愛されたい】審神者なんてやらなきゃよかった。【審神者】

後悔した１０ ページ11

あ「あ〜、その...お疲れ様」

なにモジモジしてんだ俺

これじゃただの不審者じゃねぇか！


あ「急にきてごめん、ただもっと仲良くしたいなって思って...邪魔だったか？」

二振りが木刀を握ったままこっちを凝視した。

体に穴が開きそうなくらい
見つめられる。

あ「えっと？」

今になってどっと羞恥心が湧き上がってきた。

冷や汗が止まらない。


乱「その..えっと...柘榴、さん」

あ「柘榴...ぁ、おう」


柘榴は俺の審神者名だ。

今聞いた通り、みんなは俺を主と呼ばない。


「柘榴」と呼ぶんだ。


乱「なんで、今..来たの？」

あ「え？なんでって、仲良くなりたいから...？」


乱が俺の方に少しずつ近づいてくる。

木刀を持っている手に力が篭ってるのが
見て分かった。


あ「邪魔だったよな！ごめん」


どうすればいいか分からなくて

五虎退に目でSOSを送ったが

すぐに逸らされてしまった。


めっちゃ退けられてるし....

あ「乱止ま((乱「やめてよ」...え？」

乱が俺の３歩程前で静止した。


俯いててよく顔が見えない。

でも、その肩はぷるぷると震えていた



乱「名前、呼ばないで」


あ「は、？」

あまりの衝撃に
間抜けな声が出てしまった。

あ「え、それ、どういう___」


乱「そのまんまだよ！乱って呼ばないで！
呼んでいいのは、主っ、だけ！」

泣きそうな顔する乱に

俺は口を開けたまま
立ち尽くしていた。


あ「今の主は、俺だよ。」


囁かな抵抗だった。

なんで、こんなこと言われなきゃ
いけないんだと思ったからだ。


乱「分かってるでしょ？
皆、アンタのお母さんの刀剣男士なんだから！
主面なんかしないでよ！

本当、人間は身勝手で大嫌いっ！！！」

五「そ、それは言い過ぎですよぉ！...ぅっ」



.



なんだそれ。



.



あ「なに、それ..」

乱「あっ、いや...違くて！」



.



なにも違わない。

乱が言ってることは正論だ。

だって、ただ息子ってだけで
送られてきた人間に

仕えるのなんて嫌に決まってる。

母さんが大好きなら尚更だ。


あ「主面するな、か。
ごめんな。そりゃ嫌だよな。
これからは気を付ける、名前呼ぶ時は乱藤四郎ってちゃんと言うから...本当ごめん。
怒らせるつもりはなかったんだ。」

自分でもビックリするくらい
つらつら出てくる言葉に

こう、なんか、複雑な気持ちになった。

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