私の物 ページ22
‥
相澤「その猫、あげます。」
『え？』
猫の腕をぴょこぴょこ動かしていると、そう言われる。
相澤「元は貴方……いぇ、たまたま置いてあっただけですし。鈴木先生と一緒に居るほうが嬉しいでしょうよ。」
『！』
彼は言葉を誤魔化した。
そう、これは元は私の物だったのだ。先生は、大切に今も取っておいてくれたのだ。
『ありがとうございます……。嬉しいです。』
相澤「良かったです。」
時計を見る。そろそろ出勤しなければ。
それは彼も同じ。
私はぬいぐるみを抱える。
相澤「忘れ物ないですか。」
『はい。』
私は彼の家を出た。
もう二度と足を踏み入れられないと思っていたのに。
でも、これで最後なのだと。
閉められる扉を見て、痛感した。
･
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･
朝の変わらぬ光景…なのだが。ミッドナイトさんとマイクさんが凄く体調が悪そうにしている。
今日は金曜日だから、これを乗り越えれば休みだからさ……。
が、頑張ろ。
と、思いつつ。私は自分の仕事に取り掛かる。
セメントス「なんかブラドからSHRに間に合わないみたいな連絡来たから、鈴木先生代わりに頼みます。」
『分かりました。』
通勤途中に何かあったのだろうか？
私は一年B組へと向かう。
相澤「今日の連絡事項、ちゃんと分かってます？」
『はい。大丈夫ですよ。』
A組は隣だからね。
短い距離を共に歩く。
相澤「先生。」
私は彼を見る。
相澤「その…今度……。」
言葉を詰まらせている。
相澤「……一緒に食事でもどうですか。」
その一言に、私は凄く驚いた。
でも。嬉しかった。
『えぇ。喜んで。』
チャイムが校内に響き渡る。
私は彼に「また」と伝えて、B組の教室へと入る。
相澤「はぁ……。(あの笑顔は反則だろ…)」
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作者名：マリア | 作成日時：2022年11月15日 18時
