懐かしい空間 ページ21
千与side
最悪の目覚めだ。
この言葉はこういうときに使うのだと、理解した。
微かに頭痛がする。それよりも、なんか胸の辺りが凄くモヤモヤしてて気持ち悪い。
自分の体調を気にしているが、他に気になることが。
ここ何処。
あれ、この匂い…懐かしい感じがする。
というか、この猫のぬいぐるみ…見覚えがあるぞ。
ぬいぐるみの手をぴょこぴょこ動かしながら、私は考える。
え、まさか。
私はベッドから出て、寝室の扉を勢いよく開けた。
やっぱりだ。
相澤「なんだ、起きたのか。」
『!』
なんとも言えない感情になってしまった。
複雑すぎるのだ。
何故私がイレイザーヘッド先生の家に……?
相澤「あの。」
『あ。おはようございます。』
相澤「……おはようございます。気分はどうですか。」
『え。お、驚いてます……?』
相澤「それはすみません…。あのまま残して帰るのもあれだと思ったので……。て、聞きたいことはそれじゃなくてですね。二日酔いとかしてませんか。」
え?私を心配して、家に連れてきたわけ?
意味がわからない。
貴方は私のことを……
相澤「鈴木先生?」
『あ。二日酔いに関しては大丈夫じゃ…ないです。』
相澤「そりゃあ、あんな度数の高い酒なんか呑んだらそうなりますよ。朝食作ったんで、食べてください。」
言われるがまま、私は椅子に座る。
相澤「ぬいぐるみは預かります。汚れますよ。」
ついつい持ってきてしまったぬいぐるみを取られる。
私はテーブルの上に置かれた朝食を見る。
味噌の香りがブワッと鼻にやってくる。
いゃ、これはしじみの匂いと行ったほうがいいだろうか。
『いただきます。』
一口。味噌汁を口に含む。
懐かしい味だ。
私はこの味噌汁が好きだった。
しじみが入っているが、分かる。これはあの味。
目がウルっとした。
流石に彼に見られてるから泣けない。
私、やっぱり…昔が好きだったんだ。
ここで暮らしてた時が、好きだったのだ。
けど、私は捨てられたのだ。
私は黙々とご飯を食べた。
玄米入り白米。二日酔いにいいのか?
少量の朝食を私は完食した。
私の物→←作者が通ります(そこそこ重要なので見ていただけたら幸いです)
144人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:マリア | 作成日時:2022年11月15日 18時