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スキップをしながら廊下を進んでいく。
やっと放課後だ〜！なんて思いながらテニス部へ向かう。
ルンルン気分でコートに行くと、そこには女子テニスの先輩がいた。
リョーマくんと話しているようだった。
それを物陰から除く。
遠目だから何を話しているのか分からなかったが、なんだかいい雰囲気だから見ててなんだか胸がムカムカとしてくる。
「なにやってんだ？」
「ももちゃん先輩…リョーマくんがぁ…」
「あぁ…なるほどな」
何かを察したのかももちゃんは苦笑いをしながら私を慰めてくれる。
「浮気じゃね？」
嘘。全然慰めてくれてない。
それどころかえぐってる。
「…それは…無い…。はず」
「自信ないのかよ」
「ないですよ！」
そう叫べば先輩は笑いながらリョーマくんと女子テニスの先輩を見る。
「Aは馬鹿なんだか、アホなんだか…まんまとハマりやがってよ〜…」
一瞬だけ、本当少しの間だけだけどなんだか彼が寂しそうな顔をした気がした。
こっちを向くと、私に手を伸ばしてくる。
少しだけ怖くて目をぎゅっと瞑る。
暖かい手が私の頭をクシャッと撫でる。
「ももちゃん先輩？」
「あいつのところ行ってこいよ！」
そう言って私の背中を押す。
なんだかその手は怖くなくて心地よかった。
私のことを気にかけてくれているのか…。
「ありがとうございます！」
そうして、私は彼の元に走り出した。
越前の方に向かう彼女をバックに桃城は1つため息をつく。
その後ろにひとつの影が近づいていった。
「桃…お前はこれでいいと本当に思っているのか？」
「乾先輩…いいっすよ…それがあいつの幸せだから」
「しかし、それは全て仕組まれたことだ。彼女は騙されている。それでもいいということでいいのか？」
「そりゃ、嫌っすよ。俺の妹みたいに可愛い後輩。そんなAが越前取られるんですよ？」
「それなら何故だ？何故彼女を止めない、気づかせない」
「俺はあいつの笑顔が好きだからっすよ。あいつの今の幸せは越前と一緒にいること。一緒にいるとこ見た事ありますか？そりゃもう幸せそうな顔してましたよ。あいつが真実を知ったらそれが見れなくなる。そんなのいけねぇな、いけねぇよ…」
それに彼女の悲しい顔はもう見たくねぇっすよ…。
そう言えば桃城は寂しそうに笑ったのだった。
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2019年4月14日 23時
