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昼休みの時間。
リョーマくんはテニス部の先輩たちに呼び出されていなくなってしまった。
1人で寂しくぼーっと机に座って彼の帰りを待っていると数名の女子生徒が声をかけてきた。

「一緒に話そうよ」

「ね!いつも越前くんと一緒で最近話せなかったし」


彼がいない時に話しかけられたのが少しだけ不安で心臓がうるさかった。
そう思いながら私は「うん!私も話したいと思ってたんだ〜」と笑った。


何人かの女子に囲まれて雑談をする。


趣味の話とか恋バナとかたくさんの話を聞いた。相談とかも色々と。

結構楽しくて、不安な気分もなくなっていった。

そう思い安心していると1人の女子が教室のドアの前にいる女の子を指す。
その女の子は楽しそうに男子と話していた。
きっと彼女は彼のことが好きなんだろう。
頬を赤らめているのがわかった。

微笑ましいな、なんて思いながら見ていると指をさした彼女が口を開く。


「最近さ、あいつ調子乗ってない?」


その瞬間その場にどっと笑い声が聞こえた。
すごく楽しそうな声で相手の陰口をいっては笑っていた。


その笑い声とは裏腹に私の気持ちは暗くなるばかりだ。


「マジであいつキモすぎ!」

「それな!ブスなんだから身の程をわきまえろよな〜」


何を期待していたのだろう。やっぱり私はこの時間が嫌いだ。
用事があったってことにして断ればよかったかもしれない。
でも、そんなことをしたらノリが悪いと思われ、私が悪口の標的になってしまう恐れがある。


「Aもそう思うよね?」


周りの目が私を一斉に見る。

そんなことないよ。可哀想だよ。
酷いこと言わないでよ。
彼女だって頑張ってるんだよ。好きな人に見てもらうために…。


こんなこと言えるほど私は強くない。嫌われたくない。
皆に合わせなきゃ、自分を殺さなきゃ。


「私も…私もそう思う!」


そう笑えば皆も笑顔で返してくれた。






気持ち悪い

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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月14日 23時

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