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〇 ページ5
私の上にいたはずの男は隣で頬を抑えている。越前リョーマに殴られたのだろうか。
赤く腫れている。
「サイテーっすね、先輩」
そう言えばこいつは怒ったように怒鳴り、越前リョーマを煽る。
そんな彼をもう一度殴ると、その男は倒れた。
「遅くなってごめん」
そう言って、私の体を起こしジャージを渡してくれる。
私の手は震えていた。
それを上手く掴むことが出来ない。
すると私の方にそっとそれを掛けて、私を抱きしめる。
その抱きしめる感覚が暖かいから、優しいから涙がやっぱり出てきてしまって。
「怖かった」と呟けば、強く優しく私の背中を撫でた。
「送ってくれてありがとう、ジャージは明日洗って返すね!」
精一杯の笑顔でいえば、彼は無理をするなと言ってくれる。
「返すのいつでもいいから、じゃ」
「え、レギュラージャージはまずいよ」
「…やっぱ、明日返して」
「あ、うん」
そうして元いた道を戻っていく。
私は大事なことを忘れていたことに気づく。
「越前くん!助けてくれてありがとう!」
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月8日 18時