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桜乃ちゃんが部活に顔を出さなくなった。
なにか野暮用でもあるのかと聞こうとしても、はぐらかされるばっかだった。

おかしいのはそれだけじゃなかった。

彼女にお昼を誘えば大体断られてしまうし、目を合わせると、そらされてしまう。

いつもなら笑って返してくれていたのに。

痛いな。

悲しい思いを抱きながら廊下をほっつき歩いていると、目の前には越前リョーマの姿が見えた。

それを無視するように、廊下の端によれば彼が声をかけてくる。

「すごい顔してるよ」

「え、酷い…」

こいつはアホなのか。ガチで傷ついた私をそんなふうに言うとか鬼畜だよ!
頬をふくらまして怒ると「戻った」と彼は笑った。

「そんなあんたに手伝って欲しいことがあるんだけど放課後、校舎裏に来てくれない?」

放課後はテニス部の活動がある。
けれど、桜乃ちゃんがいない今、行く気になれなかった。

「わかった、いいよ!」

「そ、ありがとう」

そう言うと彼はその場からいなくなった。
何手伝うか聞いてないんですけど。私に何、手伝わせる気だよ。

要件ぐらいちゃんと言って欲しいんだけど。

そう思いながら彼とは真逆の方へ歩く。



少しだけ気持ちが軽くなった。

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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月8日 18時

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