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そろそろホームルームが始まってしまう。
教室に戻っている途中。後ろから可愛らしい声がした。振り向くとそこには優しい笑みを浮かべる竜崎桜乃がそこにいた。
「Aちゃん、おはよう!」
はい、天使。
顔のニヤケを必死におさえつつ、おはようと返すと、桜乃ちゃんもそれに応えるように微笑んでくれた。
それを見るだけで暗い気持ちが晴れていくのが分かる。そのまま雑談しつつ歩いていると桜乃ちゃんのほっぺが少しピンクに染まっているように見えた。
「リョーマくん!」
桜乃ちゃんが彼の名前を呼ぶ。
目の前にはこちらに向かってくる越前リョーマの姿が見えた。
彼の元へ行く彼女。
越前リョーマと顔を合わせるとその顔はさらに幸せそうに赤くなったのだった。
それを見て私はなんだか悲しくなってしまった。越前リョーマに桜乃ちゃんが取られた気がして。
幸せだった気持ちは薄れ、気持ちが悪くなってくる。
楽しそうな彼女を見るのは嬉しい。しかしそれ以上に彼の存在は大きすぎたのだ。
「ごめん、桜乃ちゃん!先に戻ってるね!」
そう言うとすれ違いに彼と目が合った。
彼の目は笑っていた。
それは私を嘲笑っているようにしか見えなくて苦しかった。
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月3日 22時