154話 ページ10
「でも、言われて良い気分じゃないだろ。確かにわざとじゃないかもしれないけど、俺でさえ嫌になったんだ」
そこで彼がぎゅっと肩掛け鞄の紐を握り、視線を下に落とした。
兄さんも、豪炎寺君も、風丸君まで心配してくれた。
本当に優しい子たちだなあ、とじんわり温かくなる。
「そんなに気にしなくていいのに。私は気にしてないんだけどなあ」
「確かに、お前ら兄妹はそういう奴だよ。でも、それでも嫌なものは嫌だろ」
「でも、皆私がデータの魔女って知っても何とも無いと思うけど」
「そんなの……根拠なんて、無いだろ。もしかしたら、皆が受け入れてくれないかも」
ぱちり、と驚き瞬きをする。
……そうか、まだ、チームに入ってからそんなに経ってないもんな。
「いや、それは無いよ」
不安げな顔をした風丸君は、ないないと手を振って断言した私を見て目を丸くした。
「チームの皆なら、私自身を見てくれるって」
「……まだ、まともにチームを組んで日も浅い。断言なんて」
「できるできる」
あっけらかんと言う私は、そのまま風丸君ににっこりと笑ってみせた。
「だって、他ならぬ兄さんが作ったチームだよ？そんな訳無いじゃない」
そう言うと、風丸君は目を見開いてからお腹に手を当てて笑い始めた。
今までに見たことはないくらいの笑い具合に、それに今度は逆に私がぽかんとしてしまう。
「そうか、そうだなあ」
「え、なに？大丈夫？」
「いや、お前はそういうやつだったなって」
「そういうって？」
ひとしきり笑い終わったのか、笑って溜まった目尻の涙を拭ってから、こう言った。
「結構どころか、かなりのブラコンってことだよ」
つまりどういうことだってばよ。
ぽかんとした私に、風丸君がまた吹き出してしまった。
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黒牡丹(プロフ) - 焔さん» 好みと言っていただけて本当に嬉しかったです。書けないことになれば、とにかく頭の中に思い描いていたネタだけでも箇条書きにしてでも投稿はするつもりです。嬉しく優しいお言葉、本当にありがとうございます。 (2020年7月23日 12時) (
レス) id: 51616291f0 (このIDを非表示/違反報告)
焔 - 黒牡丹さん» レスありがとうございます。黒牡丹様が帰ってきてくださって、今の心境を教えてくださっただけでも嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 3ce071c9ce (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 焔さん» コメントありがとうございます。お話の続きを私自身が書くのは無理だと悟ってしまいました、申し訳ありません。なんとかして、彼女の物語を完結させたいと思います。どうか、よろしくお願いします。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん» コメントありがとうございます。何度もコメントしてくださっていたのに、本当に申し訳ありません。私の手から離れるかもしれませんが、それでも一度思い描いた物語として皆様の元に届けたいと思っています。読んで頂いて、本当にありがとうございます。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます。こんな形でのコメント返信申し訳ありません。せめて、物語として皆様の目に触れるようにしたいと思います。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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