合宿前オリエピ-最初で最後の ページ40
長期決戦は無理だ。脳内で出たありとあらゆる想定を切る。
まず私のスペックが貧弱過ぎる。
本当なら今も彼の身体を蝕んでいる薬に対して、中和剤解毒剤排出剤あらかた打ち込んでやりたいくらいなのだ。
だがこの場は逃げないと話にならない。
短期決戦‥‥？つまりアフロディくんを行動不能状態？気絶させる？無理だが？超次元サッカーの住人だぞ彼は。
となるとやっぱりアフロディくんの何か気を引けるもの。煙の残弾数はもう無い、あとは不思議道具をいくつか。
煙はだいぶ晴れてきた。彼の油断を誘えるもの？
ああ、もう！どうする！
ぴちゃん、と音がした。はっとそちらを見ると、割れたガラスから、薄桃色の液体が滴っている。天使のロゼだ。
今、私に、最も足りないものは？
頭の中で薬の概要を思い出す。
そうか、これなら。
大丈夫だ、一度くらいなら許容範囲だ。
あとは、と自分の姿が映り込むガラスを見上げた。
アフロディが先程見つけた"敵"を追ってみると、それはガラスの横に立っていた。
アフロディには最早"それ"が何なのか認識ができない。脳が麻痺していて、まともに思考できる状態じゃないのだ。
それでも、力は大きく湧いてくる。足元のボールは自身の手足のように動かせる。
自分はサッカーで、敵を倒さなくてはいけない。
今彼を突き動かしているのはそれだけだった。
大丈夫できるできる絶対できる諦めんなよぉ！
大きく息をする。身体が熱い。天帝の目で自分のガラスに映った姿を見ると、身体能力が平均約1.86倍になっていた。
一瞬でいい。
いける。だって
目の前の彼を見ながら、全体を俯瞰する。
ガラスで私の身体を余すことなく観察する。
最適化しろ、制御しろ、私の全てでコピーしろ！
ボール射出型ベルトからボールを出す。てんてんと音を立てて出たボールを高く蹴り上げる。
それを追って私も飛び上がる。そのまま回って勢いをつける。
私の体から目を離すな、全てを俯瞰しろ。
身体を回す、真似をしろ、真似をしろ、私の身体に合わせて最適化！
そのまま強く、彼に向かって蹴った。
彼とは違った青い炎が幻視できた気がした。
「ファイアートルネード！」
あとがき
(題名の続き)サッカー要素である！by作者
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黒牡丹(プロフ) - 焔さん» 好みと言っていただけて本当に嬉しかったです。書けないことになれば、とにかく頭の中に思い描いていたネタだけでも箇条書きにしてでも投稿はするつもりです。嬉しく優しいお言葉、本当にありがとうございます。 (2020年7月23日 12時) (
レス) id: 51616291f0 (このIDを非表示/違反報告)
焔 - 黒牡丹さん» レスありがとうございます。黒牡丹様が帰ってきてくださって、今の心境を教えてくださっただけでも嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 3ce071c9ce (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 焔さん» コメントありがとうございます。お話の続きを私自身が書くのは無理だと悟ってしまいました、申し訳ありません。なんとかして、彼女の物語を完結させたいと思います。どうか、よろしくお願いします。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん» コメントありがとうございます。何度もコメントしてくださっていたのに、本当に申し訳ありません。私の手から離れるかもしれませんが、それでも一度思い描いた物語として皆様の元に届けたいと思っています。読んで頂いて、本当にありがとうございます。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます。こんな形でのコメント返信申し訳ありません。せめて、物語として皆様の目に触れるようにしたいと思います。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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