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帝国戦-2 ページ22

あのあと、何を喋ったのか記憶がない。
ただ、気付けば私は廊下に蹲って頭を抱えていた。
聞いた。聞いてしまった。

「景虎、さつき」

息が勝手に荒くなる。頭がくわんくわんとかき混ぜられる。平衡感覚がおかしくなる。

──さつき姉さん!

ずきり。

「いたい」

頭が痛い。

──さつき、あんまり無理しちゃ

──さつき、大丈夫?

──さつき、何をしているの!



──お前は勘当だ




ひゅっと喉が鳴った。
誰だ、誰の記憶だこれは。
これが記憶か、私の記憶?

頭の中が声で埋め尽くされる。
知ってるような知らないような、知らない記憶が頭を駆け巡る。

「いやだ、ちがう、さつき、しらない、ちがう、わたしは、わたしは」

私は莉子だ。円堂莉子だ。
今更こんな記憶、思い出されたって。
記憶の洪水が私を襲う。覆い尽くす。

ぐちゃぐちゃになった中で理解した。

「景虎さつき」

これが、私の名前だ。

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黒牡丹(プロフ) - 焔さん» 好みと言っていただけて本当に嬉しかったです。書けないことになれば、とにかく頭の中に思い描いていたネタだけでも箇条書きにしてでも投稿はするつもりです。嬉しく優しいお言葉、本当にありがとうございます。 (2020年7月23日 12時) (レス) id: 51616291f0 (このIDを非表示/違反報告)
- 黒牡丹さん» レスありがとうございます。黒牡丹様が帰ってきてくださって、今の心境を教えてくださっただけでも嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 3ce071c9ce (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 焔さん» コメントありがとうございます。お話の続きを私自身が書くのは無理だと悟ってしまいました、申し訳ありません。なんとかして、彼女の物語を完結させたいと思います。どうか、よろしくお願いします。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん» コメントありがとうございます。何度もコメントしてくださっていたのに、本当に申し訳ありません。私の手から離れるかもしれませんが、それでも一度思い描いた物語として皆様の元に届けたいと思っています。読んで頂いて、本当にありがとうございます。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます。こんな形でのコメント返信申し訳ありません。せめて、物語として皆様の目に触れるようにしたいと思います。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒牡丹 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年5月5日 18時

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