病み少年に会いました［BL］【オリジナル】

28.亀裂 ページ30

俊のいきなりの提案に、俺と奏太は二人同時に「え？」と言った。俊は「お前ら……やっぱり兄弟だな……」と少し笑った。

「ほら、最近三人で遊ぶこと、減ってただろ」
「あー、確かにね」

昔は毎日のように三人で遊んでたもんなぁ……この俊も、昔は泣き虫だったなぁ……奏太がしょっちゅう慰めてたっけ。なんか面白い……

「……おい、優人。なんか余計なこと考えてないか。お前だけ帰る……？」
「ええええ？！ なんでだよ！ 考えてないから！な？」
「その感じは考えてたな……」

俺たちが考えてない、考えてる、のやり取りをしていると……

「……僕帰ろうかな」

突然奏太が笑って言った。俺は、少しびっくりしてしまった。奏太は三人でいるのが好きだったし、絶対ノリノリで来ると思ってたから。意外。

すると俊は、少し冷たい言い方で言った。

「……そうか、じゃあいい。俺たち二人で遊ぶ」
「……なっ……や、やっぱり行こうっと！ 三人で遊ぶなんて久しぶりー！」

……今日の奏太と俊、なんか変だ……奏太が見たこともない無表情だったり、俊の言い方が冷たかったり、雰囲気が良くない。やっぱり、さっき何かあったのかな……

今まで仲良さそうだったのに……なんで……

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