六十七個目の果実 ページ25
帰り道。
先輩が言った。
「俺、今星山と両想いなんだなぁ...」
「そうですね。」
「お前、淡々としてるな...」
「そんなもんです。」
嘘だ。
本当は、嬉しくって仕方ない。
けど、なんだか恥ずかしいから、平静を
装っているだけだ。
「本当は、嬉しいくせに。」
「そんなことは...」
そう言って否定しようとした瞬間、
先輩が耳元で
「大好きだよ...爽。」
「......〜〜ッッ......俺も大好きです！！」
こんなこと、毎日されたら、
恥ずかしくて生きていけない......
なんて。本当は、すごく嬉しいんだけど。
多分、これからも、仲違いや、悲しいこと、
嬉しいこと、色々なことがあると思う。
けど俺は、
どんなことがあっても、
花崎先輩と、毎日を楽しく過ごしたいんだ。
「瑞樹先輩！！また明日、たくさん、
喋りましょ！」
少しでも、先輩に近づきたくて、
名前で呼んでみる。
先輩の反応を見たいけど、
恥ずかしいから、
俺はこのまま分かれるところで
振り向かずに走るんだ。
きっと、こうやって、ほんの少しずつ、
距離は縮んでいくんだろう。
と、思った瞬間、瑞樹先輩は俺が走り出す前に
腕を引いた。
「言い逃げは、許さないから。」
そう言って、瑞樹先輩は俺の唇に、
キスをする。
どうやら、俺たちの距離の進みは少しずつ
ではないらしい。
顔が離れるとき、
先輩からは、やっぱりいつもの、
甘い果実の香りがした。
この匂いにつられたら、もう、
離れることはできない＿＿＿
優しくて、甘い、
そして、
最後には必ず幸せになれる。
そんな甘い果実の香りに誘われて。
俺は、楽しく、幸せな毎日を過ごす。
end.
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くろヰ(プロフ) - あろさん» 初めまして...！2まで読んでくださった上に登場人物についての感想までありがとうございます...！それぞれの良い部分を見てもらえてすごく嬉しいです(*^^*)頑張って書いたかいがあります...！ (2019年5月1日 18時) (
レス) id: 55eb3eeca7 (このIDを非表示/違反報告)
あろ - 初めまして、あろと申します。2まで読ませていただきました。文章が綺麗でとても読みやすかったです。自分の気持ちを押し殺していた主人公、切ないです。先輩も良かったです。特に光希の立ち位置が良かったです。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: db30d83869 (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ＊Ａ@死んだ魚の目(プロフ) - ケケケさん» コメント嬉しいです、ありがとうございます！楽しんでいただけてよかったです...！ (2018年8月23日 2時) (レス) id: 7d6061207d (このIDを非表示/違反報告)
ケケケ - おもろ-！！！！！！ (2018年8月22日 20時) (レス) id: 39bcf64ead (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ＊Ａ@死んだ魚の目(プロフ) - ルイネさん» わお、なんとwこちらこそ作品読んでくれてありがとうございます！笑 (2018年2月18日 19時) (レス) id: 7d6061207d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろすけ＊Ａ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hagemaru101/
作成日時：2017年12月25日 0時
