甘い果実の香りに［２］【オリジナル】(BL)

五十八個目の果実 ページ16

「橋本先輩...ありがとうございます。
俺なんかに...その...告白してくれて。」
「オレが選んだんだから。なんかとか言うなよなー！じゃあ、またな。」


橋本先輩とは家が真逆なので
忘れ物を回収した後、学校の前でわかれた。


「お前、何してんの？」
「あ、光希。」


光希がいた。多分提出物関連で居残り
していたのだろう。


「そうだ、花崎先輩とはなんかあった？」
「......ないよ。それに、俺もういいんだ。
花崎先輩は。先輩、彼女いるわけだし。
それに俺、橋本先輩と付き合うことに
したから！」
「は...？」


光希が眉間に皺を寄せる。


「お前、それでいいのか？花崎先輩のこと、
まだ好きなんじゃ...」
「別に。向こうも彼女いるんだから。
もういいんだよ。」


そう言った瞬間に光希は俺と逆方向に
歩き出す。


「わかったよ。でもな、絶対よくない。
一番好きな相手意外と付き合うなんて。
半端なこと、すんなよ。」
「は...」


光希は振り返って言った。


「花崎先輩はな。西矢さんと付き合ってるけど...お前といる時が、一番楽しそうだぞ！」
「え...」


光希はニッと笑う。


「じゃあな。自分の気持ちに素直になれよ！」


そう言って去っていった。




...




そんな簡単に言われたって...


素直になったからって、

何が変わるんだ...

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