157.最悪 ページ28
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その日は突然やってきた。
「倉持」
クラスメイトの声に、ケータイの画面に向けていた顔を上げた。
俺に声をかけたのはクラスの女子達で、
なんだかそわそわした様子で俺を見てニマニマ笑う。
「さっきの、マジなのかな？」
「は、何が？」
「御幸くんが、高島先生と付き合ってるって噂、知ってるっしょ？」
そいつの言葉に、思わずケータイを落としそうになる。
知ってるも何も、俺はあの修羅場に居合わせた張本人。
でも誰にも言ってない。話はでかくしたくなかったし、
俺なりに、御幸にも何か考えがあるんだろうと思って、望月も何もしないでと言っていたのでほっといていた。
だから、この噂を流したのは俺じゃないことは確か。
「でね、その噂、もうずーっと学校で広まってるけどさ……さっき見ちゃった子がいたの」
噂好きのその女子は、イタズラっぽく笑って言った。
「御幸くんと、高島先生。昼休み、呼び出し食らったってさ」
目を見開いてそいつを見る。
「絶対そのことだよ！生徒と教師が付き合うなんてもってのほかだもん」
「やばいよねー、ドラマみたい、でも美男美女だしありえなくもないよね」
キャーキャー話し出す女子ども。
こっちの頭はグルグルと回って、嫌な想像が頭をよぎる。
おいおい、最悪、高島先生はーーーー
「っ……クソ、」
「？…倉持？！」
席を立って走り出した。
まだ昼休みは始まって数分。移動教室のあるクラスならまだ昼なんか食えない時間。
まだ、片岡監督の耳には届いてないはず。
走って教室を出てケータイを開くと、履歴の一番上にあるそいつーーー、最近やたらと電話をかけてくるそいつの番号を引っ張り出して、ケータイを耳に当てた。
「もしもし、ーーーーー望月？」
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年2月16日 17時
