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Diary6 レッツパーリー! ページ7

「なんの真似だよ神崎……!」

屋上に行こうとする俺を押し止めてる神崎を引きはがす。

「わー!駄目なんです黛さん!後少し、後少しですからぁ!」

何を必死になっているのかは知らないがぐいぐいとこの細身な体からは想像できないほどの力で押されている。つーか本当にちっせえなこいつ……身長は確かに女子にしちゃー高ぇけど俺からしてみれば小さいし……線がほそいからか?

「とにかくまだ駄目なんです!って――うわぁ!」

神崎が足を滑らせたのかこちらに倒れてくる。なにか掴もうとしたのか咄嗟に俺のブレザーを掴んだ。

「おい、大丈夫か?」

俺の上に座るようにして倒れ込んだ神崎が顔を上げる。思ったよりも近い顔の距離に鼓動が早くなるのが分かる。パチパチと長い睫毛を瞬かせて神崎が俺の顔を覗き込む。途端にカァァと赤くなる顔にこちらも釣られて頬が熱くなる。

「す、すいません、今どきますね!」

余程慌てているのか神崎の声が上ずっている。俺が何も言えないでいると神崎はさっさと退いてしまった。

「準備出来た?」

神崎が屋上に続く扉を開けて中を覗き込む。どうやら屋上には既に誰かが居るらしかった。ふんふんと頷いた神崎はくるりとこちらを振り向く。

「……逃げないで下さいね?」

「……は?おい神崎何言ってるんだ?」

グイッと手を握られて引っ張られ、神崎は屋上の扉を開けて先に進む。屋上には赤司以下のレギュラーメンバーが居た。

「お待ちしてました、黛さん。それでは……黛さん引退おめでとうございますパーティーを始めます!」

宣言した赤司に応えて根武谷が野太い声を、葉山がうるさい声を、実渕が甲高い声を上げる。

……漫画とかで頭の上に大量の疑問符を浮かべている描写があるが今の俺は正しくそんな状態だろう。放心したままの俺の顔を神崎が覗き込んでくる。

「なに驚いてるんですか?黛さんにお礼したいらしくて私の所に赤司くんが来たんですよ。それで少しばかり手引きさせてもらいましたから」

神崎がふふ、と笑う。なんでこいつが嬉しそうな顔をしてるんだか。屋上に設置された折り畳みテーブルの上には大量のお菓子とジュースと紙コップ。牛丼なんてもんがあんのは根武谷用だろうか。

「ちっ……しゃーねえなあ。今日くらいは楽しんでやるよ」

まあこんなこと最初で最後だろうし乗ってやるのも悪くない……かもな。

Diary7 バレンタインデーは乙女の戦場である。→←Diary5 魔王様はお困りのようです。



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黛夕那(#・∀・#)(プロフ) - あの、初めの千尋saidで神崎葉月ってでたんですが… (2019年9月1日 12時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ゲスでゲス - かぁいい作品をありがとうございました・・・ (2018年8月26日 9時) (レス) id: ed4900357a (このIDを非表示/違反報告)
カコ - すごく可愛かった。キュンとした。素敵な作品をありがとう。 (2018年7月22日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
マリア - 続読めたいです (2017年9月26日 10時) (レス) id: 8569ec9184 (このIDを非表示/違反報告)
葉隠叶芽(プロフ) - 飛鳥さん» ありがとうございます!なるべく早く書き上げられるようにしますので楽しみに待っててください! (2017年7月7日 23時) (レス) id: 0edaa43e99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉隠叶芽 | 作成日時:2017年3月23日 20時

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