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｢ハアハア、A……｣
何か大きなものが落下したような重たい音と同時に昔から聞いていた彼の声が耳に入る。ガチャと丁寧に扉を閉める音が鳴ると彼がドタバタと走る音が聞こえ、音が大きくなると同時に現れた彼はぎゅっと締め付けるように強く抱き締める。私の腕の中にいたはずのオルトはいつの間にか部屋の奥へと移動していた。
｢おかえりイデア｣
私は慣れた手つきで彼の背中を一定の感覚で叩くと苦しかった腕は軽くなる。代わりに体に回っていた左手が私の頭を自分の胸元に押し付ける。
｢なんで僕から離れようとするの｣
相変わらず震えて聞こえるか聞こえないかのか細い声に私は背中を叩くリズムを少し早める。オルトから報告が来ると毎回走るのが苦手なくせに大急ぎで飛んでくる彼を労わるように優しく。
｢私だって普通の学校生活を送りたい。｣
自然と口から溢れていた言葉はきっとなんだかんだ昔から一緒にいる信用から出た言葉なのだろう。しかし、それを彼は良しとはせず頭をより深く抑え込まれる。言葉も発せないぐらい深く。
｢でもそうしたら君は離れていく。だったら誰にも見えないところに隠しておいた方が……｣
相変わらずの思考に叩いていた手が止まると彼は続けてとお強請りするようにぎゅっと強く抱きしめる。私は押さえつけられていた顔を捻り何とか言葉を発せるぶんの隙間を開ける。
｢私はイデアがこれからも大好きだよ。こんな事をしなくてもそれは変わらない｣
そう言葉で伝えてみ彼は一切緩めずに開けた隙間を無理矢理締める。
｢お願い、此処に居て。僕から離れないで｣
触れている箇所から伝わる彼の震えとポツポツと雨のように髪の毛を濡らす彼の涙に私はぎゅっと強く抱きしめる。
｢離れようなんて思ってごめんね。大丈夫だよ｣
｢本当に本当？｣
｢本当だよ。オルトに調べさせても良い｣
｢良かった……｣
優しく緩められた腕から離れこっそり彼の顔を除くと彼は心底嬉しそうに微笑んでいた。私しか知らない彼の笑顔、それだけでもうこのままで良いかなと思う私も実は相当彼の愛に酔っているのかもしれない。
ラッキーパーソン
エース・トラッポラ
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セイラ - さいこうです。好きですっっっっっっ、うちもイデア推し (5月13日 21時) (
レス) id: 0a2eee8487 (このIDを非表示/違反報告)
ブライド - 突然失礼します！リクエストしていいですか？オルト君のヤンデレをお願いします… (2020年6月12日 19時) (レス) id: 3d8c2e90f5 (このIDを非表示/違反報告)
夜霧皐月(プロフ) - 多毛林さん» ありがとうございます！先程続編を作成させました！応援して下さり本当にありがとうございます！書いてる身としてとても励まされます！これからも読んでいて楽しいと思えるような作品が作れるよう頑張ります！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 9e4a1e2f47 (このIDを非表示/違反報告)
夜霧皐月(プロフ) - ラムさん» ありがとうございます！これからも皆さんが読んでいて楽しいと思えるような作品が作れるよう頑張ります！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 9e4a1e2f47 (このIDを非表示/違反報告)
多毛林 - 同じく続編楽しみにしています。これからも更新頑張って下さい応援してます！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: cbaa155769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜霧皐月 | 作成日時：2020年3月26日 22時
