君が……だから。【snr】

38.終わりのように ページ40

あっという間に文化祭当日。

使い方が簡単とはいえ、ずっと腕を上げてなきゃいけないので練習もかなり大変だった

そして、練習の度に最後のシーンをずっと見続けるのも……

本番までは教室で過ごしている。まだ皆あまり緊張していない様子だ

そしていつもの如く、坂田とAが一緒に話してるのが見えた

今日の劇が終わったら坂田はAに告白するだろう

その前に、少しで良いから俺の傍にいて欲しい

せ「おい、こいつ借りるで」

さ「え〜俺が話してたのに」

せ「お前ら直前まで待機場所一緒やんか。俺は今しかダメなの」

さすがに今回ばかりは引いて欲しいところだ

さ「まあその点でいったらお前のほうが不利やな、Aちゃん危ないことされたらすぐ言うんやよ?」

『え、』

一応了承はしてくれたが、不安にさせるような言葉を付け足す坂田

せ「……Aが嫌やったら言ってもええよ。廊下行こ」

何も言わずについて来てくれてるのは信用してくれてるってことで良いんだよね?


『どうしたの?わざわざみんなのいないところまで連れてきて……』

せ「……抱きしめてもいい?」

彼女は一瞬驚いたような、困っているかのような表情をした

せ「ただの俺の我儘やから。嫌だったら今のは取り消す」

『いいよ……センラにだったら何されても』

そんな風に優しいから男が引っ付くんや、バーカ

せ「ありがとう」

微笑んで返事をした後に、俺はAの体を抱き寄せた

暖かくて、ふんわりとしている。

昔は一緒に寝たり、お風呂に入ったりしてたのに高校生ともなると抱きしめるだけで恥ずかしい

彼女が俺の胸に顔を埋めてきたので、そっと頭を撫でてやる







この幸せがずっと続けばいいのに

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