【文スト】大人びている少女、武装探偵社にて奮闘中

四十六話　父と娘 ページ49

ポートマフィア首領室

芥川「以上で報告を終わります。」

芥川が、敦の捕縛についての報告を終え、一礼し、退室しようとした。すると

？「一ついいかね？」

報告を受けていた男が芥川を呼び止めた。すると芥川は、足を止め、振り返った

芥川「なんでしょう？首領」

首領と呼ばれた男が口を開いた。

？「“あの子”はどうしていた？」

そう聞かれた芥川は少し顔を伏せ

芥川「…此処には戻らない…そう仰っていました」

それを聞いた男は少々顔を歪め

？「そうか…だが、此方にもあの子を連れ戻したい理由がある。最適解が必要だね。ありがとう、もう下がっていいよ。呼び止めて済まなかったね」

そう言われると芥川は頭を下げ、退室して行った。一人になった男は、目を閉じ乍ら

？「…私があんな事をしなければ…あの子は今も此処に…」

悲しげに目を伏せ、机にあった写真立ての写真を撫で呟いた。その写真には、首領と呼ばれているその男、そしてその傍らで、笑って写っているAに似ている幼い少女が仲睦まじく写っていた。そして外套に入っていた鍵で引き出しを開け、“ある物”を取り出しそれを一撫でした。

？「これを返す日はまだ遠くなりそうだね…」

それはロケットペンダントだった。ロケットを開けると、其処には男の机にあった写真と同じ物だった。そして男はペンダントを引き出しに戻すと顔を上げ

？「私は絶対君を連れ戻す、それが私の最適解だ…」

その男の目には、揺るがない決意が篭っていた

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