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薮side



八「やっぱり涼ちゃん体調悪いって。

ほら、あんなにふらふらしてる。」


薮「だよな、やっぱり俺から声かけてみるよ。」


八「よろしく。」


そんな会話をしていたのが数分前。



薮「ねぇ涼ちゃん、体調大丈夫?」


そんな風に涼ちゃんに声をかけたのがつい数秒前。



薮「涼ちゃんっ!!涼ちゃん分かるっ!?」


今の俺は目の前で倒れた涼ちゃんに動揺を隠せず、焦ってそう声をかける。

しかし、涼ちゃんはその声に全く反応しない。


身体を触ると全身が熱を帯びていて、眉間に皺を寄せて苦しそうにしている。


こんなになるまで気づいてあげられなかったなんて…………。




『大丈夫ですか!?_____さん!!_____さん!!!』




途端に、過去の出来事がフラッシュバックする。


そうだ、あの時も…………。



身体は熱で熱くなっているにも関わらず、手先は氷のように冷たい涼ちゃんの手を握ったまま動けなくなってしまった。



八「えっ、涼ちゃん…………!?

ちょ、薮なにしてんのっ、今救急車呼んでくるから!!」



光の声ではっとする。

そうだ、今はこんなことを考えてる場合じゃない。



また同じような思いはしたくない__________。



薮「涼ちゃん今から病院行こうね、もう少し頑張ろうね。

大丈夫、大丈夫だからっ………………。」




息は…………辛うじてしている。

ただ今にも止まってしまいそうなほど弱い呼吸で、本当に一刻を争う状態だ。



薮「大丈夫、大丈夫……………………。」



涼ちゃんの頭を撫で、冷たい手を握り、救急車が来るのを待つ。

しかしその時間は、何時間にも何十時間にも感じた。

◇→←◇



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作者名:如月 | 作成日時:2021年11月20日 19時

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