検索窓
今日:30 hit、昨日:7 hit、合計:61,350 hit

ページ34

薮side



伊「まずい。」


薮「え?」


海老ピラフを食べている伊野尾が突然、そんなことを言い出した。

今涼ちゃんが作った料理を不味いって言ったな…………?



伊「非常にまずいよこれは!!」


そう言って指を指した伊野尾。

その指の先を目で追うと、厨房で仲良く会話をしてる涼ちゃんと光の姿が。


伊「どこから沸いてきたか分からない男とあんなに仲良くするなんて!!」


"今まではあんなに俺と仲良くしてたのに……。"と言いながら泣き真似をしている。


…………シラフだよな?こいつ。



薮「まぁ確かに、俺が手塩にかけて育ててきた涼ちゃんがあんな奴に取られるのは悔しいな……。」


そう言いながら、先程の開店前のやり取りを思い出す。

くっそ……。



山「何が悔しいって?」


伊「涼ちゃん!!!」


涼ちゃんが来たことでテンションが上がっている伊野尾を見て、目を見開いている。



………かわいいっ。



伊「涼ちゃん、どこの誰かも分からないような男と一緒にいちゃダメ!何かあってからじゃ遅いんだからね!」


必死にそう語っている伊野尾と、何を言っているのか全く理解出来ていない様子の涼ちゃん。


2人の温度差が激しくてなんだか面白い。


山「あの男………?あー!もしかして光くんのこと?」


伊「もう名前呼びしてるのか!俺のことはずっと伊野尾さん呼びなのに!!」


山「だってお客さんですもの。」


伊「くそ、じゃあここで俺も働く!」


薮「いや、それは勘弁。

これ以上色んなやつが涼ちゃんの周りにいるのは俺が許さない。」


伊「薮は涼ちゃんと一緒に住んでるんだからいいだろ!」


薮「何もよくねぇよ!」




山「さっきからずーっと2人とも何言ってるの?」

_


薮「涼ちゃんお風呂上がったから次…………また書いてるの?」


山「うん、忘れないうちに書いておかないと。」


髪を拭きながらリビングに戻ると、涼ちゃんは机に向かっていた。

どうやら過去を辿ったお客さんのレシピを書き留めているんだとか。


薮「勉強熱心だねぇ………。」


おそらくまだお風呂に入る気は全くない様子の涼ちゃんに、身体が冷えないようにココアを作る。


薮「はいこれ。」


山「ありがと。

あ、そういえば今日なんでみんな光くんのこと敵対視してたの?」



……それは知らなくていいことだよ、涼ちゃん。



薮「いや、別にそんなことは……。」


山「なんかへんなの。」



怪訝そうな顔をされたけど、気にしない気にしない。

カレーライス→←Closed...



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (141 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
268人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:如月 | 作成日時:2021年11月20日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。