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知念side



少しの間カウンターの椅子に座って待っていると、紙を持って戻ってきた店員さん。


山「おまたせしました。

あの突然なんですが、お客さまは苦手な食べ物とかあったりしますか……?」


どうしてそんなことを聞いてくるんだろう、と思いつつも


知「椎茸とか、ピーマンとか………。」


そう返すと、また彼はにっこりと笑った。


山「やっぱりお客さまは沢山愛されていますね。」


では、こちらどうぞ。と言われ、書いてもらったレシピを見る。

すると材料の中には、僕の苦手な椎茸とピーマンが入っていた。


知「これは………。」


山「お母さまは、食べても分からないくらい細かく切り刻んでお肉の中に入れていました。

もしかしたら苦手な食べ物なのかな、と。」



僕が小さい頃意地でも食べなかった食べ物たちを、こうして工夫して作ってくれていたなんて。


……それは間違いなくお母さんの愛だった。



_



知「今日は本当にありがとうございました。」


山「いえいえ、気をつけてお帰りくださいね。」



店員さんにお礼を言ってお店から出る。

その足取りは来た時より、ずっと軽くなっていた。





ハンバーグ end.

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作者名:如月 | 作成日時:2021年11月20日 19時

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