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カルボナーラ ページ3

山田side


「ねぇねぇ、ここって過去に戻れる体験が出来るらしいよ。」


『え、その噂信じてんの?

そんなの迷信に決まってんじゃん。』



お店の前で掃き掃除をしていると、噂好きの女子高校生達がそんな話をしている。



"過去に戻れるわけが無い"


普通の人は、そう思うだろう。


でも、僕はそんな非現実的な能力を持っている。



伊「戻れますよ。」



「えっ…………?」


突然声が聞こえ、女子高生と共に声の主の顔を見る。



伊「あっ、すみません。

ここの喫茶店の常連なもんで。」



『え、おじさん過去に戻ったことあるんですか?』



伊「おじさんって。やだなぁ、僕は無いですよ。

でも、過去に戻っている人を見たことなら何度か。」



彼は、伊野尾慧さん。

何年も飽きずに通い続けてくれる、おなじみの常連さんだ。



「へぇ〜やっぱり噂は本当だったんだ……。」


『でも、おじさんが嘘ついてるかもしれないじゃん?』



伊「だからおじさんって言うなって。

嘘だと思うなら自分で確かめてみればいいじゃない。

……んね、涼ちゃん。」



そう言って俺の方を振り向く彼に、頷くことしか出来なかった。




山「あっ、良かったらお食事だけでもどうぞ……。」

◇→←◇



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作者名:如月 | 作成日時:2021年11月20日 19時

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