SPARC

紡いだ絆（y） ページ39

ニカが
いきなりパァーーンと自分の腿を叩く
そして……太輔をまっすぐ見つめて

【ガヤ！！！早くミツ捜そう！ね！】


太輔は何か言おうとして
言い淀んでいた………

『ニカ………俺…』

【うん。わかってる！ガヤ。後でいいよ！それより！変な男についてったんじゃ………ヤバイよ…………だってミツ………ひとりで思い込んで…………あ！…タマ！他に情報は？】

〈その場所まで行ってみる？そこからどっち方面に行ったかとか聞いた？〉

【車の色とかは？】


ニカ千の切り換えの早さ……



そうだ！
俺達はいつも
ガチでぶつかって

安心して喧嘩できる……
そんな時間を
重ねて紡いで来たはずだ！


太輔は頷くと

飛び出していった

［ガヤ！待って！！！宮田！行くぞ！］

｛うん！｝

バタバタと飛び出す皆の後ろで
ニカが千賀の手を取って
【ワッターと後からゆっくり来なね。………結構飲んだんだろ？胸元まで真っ赤……走り回ったりしたら具合悪くなるよ？】

〈！でもっ！〉

〔千賀…ニカの言う通り……無銭飲食するわけに行かないから…少し付き合ってよ？……ニカ！後でTELする！〕

【うん。お願い！】
タマ達の後を追うように
踵を返した

ふと立ち止まり
千賀に歩み寄ると抱き締め
首筋にキスした！

【うえ！ガヤと間接キスした………けど消毒！】

〈！！ばっ！！！ばか！〉

照れて臭くてバツが悪そうに
俺のことチラッと見てから俯く千賀の
首筋は更に紅く染まって

ニカは満足そうにして
店から駆け出していった



くちもとを押さえて
我慢するけれど
肩がクツクツと震える

〈もう！横尾渉！！！笑うな！〉


〔ゴメンゴメン！さぁ！支払い済ませて後を追うよ！〕





突然尻のポケットでスマホが震えた
さっきの大音量に驚いて
バイブレーションに切り替えて
突っ込んだんだった


〔ちょ…ごめん………………もしもし？どした？終わったら連絡するって………〕

《ごめーん！渉…カワイイ猫ちゃん拾ったんだけど………まだ首輪ついてみたいなんだ……今夜…保護してもいいかな？もう餌は与えちゃったから…半端に放り出せないけどね。》

こいつは
たまに
こういう
回りクドイことを言う


〔………はぁ………その猫ちゃんどこで拾った？あんまりからかっちゃダメだからね！〕

お願いだから……（k）→←流されたくて……(k)

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