SPARC

告白……（k） ページ18

シンメトリーと言われて
二人で居るのが当たり前で

いろんな編成を組まれても
いつの間にか
やっぱり隣には
藤ヶ谷が居て

恋心に気付かない振りをして
恋心を認めて
恋心を諦めて


ただ、傍に居たくて
仲間も好きで

ただ、好きで


ずっと一緒に居たくて



だから
だからこそ
この弾けるような恋心を押し込めたのに


そう決めたのに


そう誓ったのに



不意に見せる藤ヶ谷の
甘さに
ときめいて


心のどこかで
固く絞めたはずの封印のリボンを
甘く緩めてしまおうと
したとたんに



痛い目に合うんだ……







藤ヶ谷が悪いわけではない

俺が
弱いだけなんだけど

つい……
狡い……酷い……嫌い……

って思う……



そして
一言一言を噛み締めるように
胸の奥で呟いた直ぐ後に



嘘だよ！好き……好きだよ……
俺のこと嫌いにならないで！！！
身体中が泡立つように
叫ぶんだ！



せりあがる
沸々とした息苦しさの
泡を押し込めたくて

服の胸元をシワがつくほど
握り締める



届かない
恋しさは
泡になり
終いには

俺自身も
泡になって消えてしまうのかもしれない……



あれは
何の童話だったかな……



叶わない恋とともに
泡になって

伝えられない言葉は

伝えられない思いは


泡になって…………









【みつ……】

突然背中から抱き締められて


ちょっぴりだけ
期待して

直ぐに
思い直した……

「ニカ？……何？どした？」


【…………みつ……みつが…消えちゃうかと思った……】

「へ？！何で？」

【わかんない………何と無く…ダメだよ……居なくなったりしたら……】

「……なんだよそれ！居なくなるわけ無いだろ？！俺のホームはKis-My-Ft2だよ？他のどこでもない」


【俺はね、みつが居たから…今もこうして、ここに居るんだ……】

「……ぅん？ 」

【大好きだよ……】


そう言って
ニカは胸元を握り締める
俺の拳を柔らかく包み込んだ……



頑なな
拳の力が少しずつ緩んだら



また瞳が緩んできて……


勝手に
涙が溢れだして

俺はね

ニカに俺だけの秘密を暴露してしまった






こんなに
簡単に泣いてしまうほど

弱っていたことに
ずっと
気付かずにいたことに

今更


気付いた





「ニカぁ……俺……俺さ……藤ヶ谷が……ものすごく……好きなんだ……」



口に出したら
どんどん溢れて……

ニカにしがみついて
胸に顔を埋めて
わんわん泣きながら

好きだって
何度も
何度も
呟いた

ニカはその度に頭を撫でてくれた

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