SPARC

誤魔化さないで！（k） ページ13

「怖い夢見たんだ……泣くほど怖かったのに……どんな夢か忘れちゃった！」

涙を拭いて
鼻をかんだ

そして
ニヘッと笑ったら

ニカが怒り出した

【嘘つき！ミツはそうやってすぐ強がる！だから苦しくなるんだよ！最近ずっと胸の辺りギュッて服を掴んでる！！！】

＜えっ？そうなの？……ミツ。苦しいの？＞

自分でも
気付いてなかった……

【今だって……そんなふうに…………ねぇ！聞いていい？…………ガヤと何があったの？】

「えっ？……なんで？藤ヶ谷が出てくんの？」

【さっきだって…楽屋からガヤが出てくの見掛けたし……そしたらミツ泣いてたし！！！誤魔化さないでよ！】

「………。」


【ほら！何も言えないんでしょ？やっぱり！何かあったんだ！】

ニカは
たまに
メチャメチャ鋭い
ほんと……困る


「……あ…えっと…何もないんだよ。ホントに。」

【ホントに？】

「うん。だから、言うこと何もないんだよ？」

＜ホントに？＞

「うん。」

【じゃ……なんで？】

「怖い夢見たんだ……」

【でも！】

＜ミツがそう言うんなら＞

グイグイくるニカを
さえぎる

健永の澄んだ声

大きな瞳が
真っ直ぐ
俺を見つめる

＜早く顔洗って、メイク直してもらうといいよ。衣装にも着替えなくちゃ！ね！ミツ。……そんなふうに、泣いてましたって顔、玉と宮田に見せちゃダメだよ。……ミツ……ホントにダメなときは……頼りないかもしれないけど…俺たちがいるの忘れないでね？＞

言いたいことは言い切った！！！って顔して

＜ニカ！行こう！＞

【でも！】

＜ニカ！＞

【……うん。】

きびすを返して
楽屋を出る

渋るニカの背中を押しながら

健永が振り返り

＜ミツ！俺らマジでミツのこと大好きだよ！＞
【大好きだ！ミツ！】

だって！

「俺も！！！好きだよ！ニカ！健永！
……ありがとな！」


えへへ
って感じの笑顔がヒョコって
２つ現れて

スッゲー嬉しい！！！
って感じで手を降って

【＜またね！バイバイ！】＞
って見事なハモタイム


あーーもう！
何か、ホント！
アイツ達
困る

可愛すぎて。





しっかりしなくちゃ！
双子に心配かけないように

自分がブレないように




［ミツ！起きてる？次だよ？！］
｛みっくーん！キタミツくーん起きなさぁい！}

玉と宮田が
呼びに来た！



全く
お前らが
ワチャワチャしてくれるから！
救われる……


とりあえず
仕事だ！！！


みんな
大好きだ！

この居場所はなくしたくない…

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