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「ペ神連れてきたで」
「Aちゃん〜遅いやん、待ってたで」
『しんぺい神さん…と、ひとらんさんと……兄さん』
「あ、覚えててくれてん…?嬉しいわぁ」
「怪我、大丈夫?」





救護室には珍しいメンツが並んでいて
彼らは私を見るなり笑顔で近づいてきてくれた

しんぺい神さんが私と視線を合わせ
「Aちゃん、自信持ってな…?」と頭を撫でてくれて



鬱さんは「今日は許す」と隣で頷いている




「……あんまりお話出来んかったけど、まぁなんやろ…少しの間あいつらがお世話になりました」
『いえ、むしろ私の方が…』
「兄さん話したがってたよね、Aも暇じゃなかったんだろうけど」



兄さんと2人で頭を下げ合い
ひとらんさんが笑いながら「拗ねてたよ」と言ってくれて


そう言えば全く話したこと無かったかもしれない




「あ、ペ神…そういえば洋服とかどうなったん?」
「あれはもう使えへんからな…Aちゃんの洋服はまだあったよな?」
『はい、制服が』





鬱さんから貰った物は全てダメになってしまったようだ

悲しいと聞かれれば悲しいが、仕方の無い事



首に着いていたチョーカーも今は無くて
その代わりに嫌というほど痕は付けられたけど


煙草を吸ってる鬱さんとしんぺい神さんを横目に、ひとらんさんと兄さんと少し話をする
綺麗な中庭を見るのもこれで最後だと思うと、少しだけ不安になったりもして




「…はい」
『え…?』





ひとらんさんが私の前にひとつの小さな袋を出した

それを受け取れば
「Aに似合う花が咲くから…時間があったら育ててみて…?」
と寂しそうに笑うひとらんさん



花の種だろうか

兄さんが少し笑いながら
「大荷物の帰省になりそうやな」とこちらを見ていて





『…ありがとうございます』
「ううん…ペ神も言ってたけど、A……自信持ってね…大丈夫だから」
「ようわからんけど、あんまり深く考えない方が楽やで」





2人のアドバイスに頷き
トンっと背後から抱きつかれる感覚に身を固めた



煙草の匂いに振り返れば鬱さんで
彼は「じゃ、次行くで」と私の背中を押し、救護室を後にする





いや、もう少し別れ話をさせてくれ

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美雨 - 小説で久しぶりに泣きました。最高の作品でした。大好きです。 (7月26日 18時) (レス) id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
はーな(プロフ) - 読み終わったあと感動で胸が締め付けられました。神作に出会えてよかったです!! (2022年9月2日 19時) (レス) @page27 id: e031897919 (このIDを非表示/違反報告)
- 泣けた。やばいですよもう。 (2022年8月14日 21時) (レス) @page27 id: 5511dd41f6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 感動してめちゃめちゃ泣いた.....しかもこの小説私の誕生日に作られてる、運命かな......... (2022年7月19日 21時) (レス) @page27 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
あたり(プロフ) - 最近この界隈に戻ってきて転生と外せかのシリーズを読み返していたのですがこれは読んだことなかったなと気付き読み始めたら…感動しました……外せかはガチで泣きましたけどこの作品も相当良かった……なんで当時読まなかったのかが不思議です…ありがとうございました (2022年4月17日 12時) (レス) @page27 id: f83fcb16fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちまる | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月25日 8時

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