31.男同士の話 ページ32
としみつside
撮影部屋を出ると、廊下でたそがれるてつやがいた。
「次、お前の番だけど」
て「…あぁ」
らしくないため息を吐くてつや。
俺は向かい側の壁にもたれかかった
「どうしたらいいかわかんないんだろ」
て「え？」
「彼女でもないのにやめろなんて言えないから
どうしようかなーってか？
バレバレだぞ」
て「そんなんじゃねぇよ」
「いつになったら認めてくれんのか知らねぇけど、
お前がAのこと好きなんてこっちはとっくにわかってんだよ」
て「だからそんなんじゃ…」
「ふざけんな、俺やりょうの身にもなれ」
言っていることが理解できないのか、間抜けな顔でこちらを見てくる。
「俺もりょうも本気でAのことが好きだ
うかうかしてるとマジで落としに行くぞ」
て「えっ…」
「俺らがAにくっついて嫌だと思うならそう言えばいい。
それができないなら嫌だと言えるような立場まで勝ち上がれよ」
て「ど、どういうことだよ」
「お前がAの彼氏になれば、
嫉妬しても当然だと言えるだろ
今のお前は彼氏でもねぇのに嫉妬してる
そんで、そんな自分にイライラしてる」
て「でもふられたら何の意味も…」
「ふられんのにビビってたらなんもできねぇだろ」
いつの間にかAのことを好きだと認めたような口調になったてつや
でも、想いを伝えることに異常にビビってるみたいだ。
思わずため息が出る。
「…もっと焦らせたら告れるようになるか？」
て「やめろ、もう十分焦ってる」
「カンタ」
て「え？」
「ツリメ」
て「何だよ」
「俺、りょう」
て「もうわかったって」
「…はじめしゃちょーも」
て「え、知らんかった」
「今言った奴みんなAのこと好きだから」
て「勘弁してくれよ」
「全員いつ告るかわからんやん
Aも、最後に誰を選ぶかなんてこっちは決められない」
いいのかよ
Aが誰かのものになっても」
て「でも、俺が言ったところで…」
「あーもううぜぇな！
そんな弱気ならお前は一生ジメジメしながら生きてろよ！
俺は負けねぇからな！！！！」
て「んな…」
り「としみつ声でかすぎ」
「マジ？やべ」
り「虫さんとサブチャン撮ってるから問題ないけどさ
お前ら話長すぎんだよな」
て「わりい」
り「これはもう作戦変更だな」
瞬間、りょうの表情は真剣そのものになった。
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ハル(プロフ) - りんごパイさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもよろしくお願いします！ (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7177ba363e (このIDを非表示/違反報告)
りんごパイ - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 5時) (レス) id: 4e652dc6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2018年1月12日 16時
