25.怖い ページ26
Aside
虫さんは黙ったまま、
私をソファに座らせた。
そしてキッチンからマグカップを持ってきて
私の隣に座った。
虫「…ごめんね」
『え、なんで虫さんが謝るの…？』
虫「僕かなり無神経に首つっこんでるなと思って」
『ううん。虫さんは色々考えて言ってくれたんだよね』
虫「どこから聞いてたの…？」
『うーん、話が理解できたのは最後の方。
お前は何を気にしてるんだよって、言ってた。』
申し訳なさそうにうつむく虫さん。
自分で淹れてきたお茶にも手をつけない。
『虫さん、私ね
てつやが好きだなぁ』
そんな虫さんに、私は言うはずのなかった言葉を口にした。
『ほんとはずっと前からそんなことわかってたんだよね
それなのに何も考えてないふりして、
好きなのかわかんないって思い込んで逃げてた。』
切なげな顔で私を見つめる虫さん。
その目は、「なんで…」って言ってるのがひしひしと伝わってきた。
『私ね、何を気にしてるんだよって虫さんが言ってたのが
ものすごく的を射てるなって…
だって、好きになるのは悪いことじゃないでしょ？
好きになっちゃうのは、仕方ないことでしょ？』
虫「うん…」
『でもどうしても頭をよぎるの
メンバーのみんなのこと
いつも見てくれる視聴者さんのこと
そして何より、てつやのことが』
虫「それは…どうして？」
『今まで友達として築き上げてきたものが大きくて、
好きになることで何かが変わってしまうのが怖いんだよ』
虫「そんなこと」
『ごめん、こんなこと言いたくないけど、
虫さんにはわからないよ…
みんなに気を遣われること
視聴者さんの私たちを見る目が変わってしまうこと
てつやとの今までの関係が崩れてしまうかもしれないこと
不安なことが多すぎるの。
それなら気持ちを隠してこのままでいたい』
虫「…そうだね。Aの気持ちはAのものだ。
僕や他のメンバーがどうこう言うことじゃない」
『でも、こんなに心配してくれたのは本当に嬉しい。
隠すって言ったって虫さんにはお見通しだったみたいだしね笑』
虫「そりゃあ、2人を見てたらわかるよ」
『あはは…』
『え？』
虫「え？」
『え、2人？私でしょ？』
虫「ん？」
『へ？』
虫「いやだから、2人を見てたら両想いなんだって
すぐわかっちゃうよって」
『…え！？両想い！？』
虫「え、さっきの話聞こえてたんでしょ！？
ちょっと、一回整理しよう」
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ハル(プロフ) - りんごパイさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもよろしくお願いします！ (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7177ba363e (このIDを非表示/違反報告)
りんごパイ - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 5時) (レス) id: 4e652dc6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2018年1月12日 16時
