22.そろそろ ページ23
てつやside
突然インターホンが鳴る。
ドアを開けるとそこには虫眼鏡の姿があった。
「え、どうしたんこんな時間に」
虫「Aは寝てる？」
「寝てるけど…」
虫「そっか。じゃあ上がらせてもらうね」
「な、何なんだよ」
俺の問いかけには答えず、
靴を脱ぐなり編集部屋へ入っていく。
訳がわからないが、とりあえず俺も部屋に入り
椅子に座る。
ベッドに座った虫眼鏡は時間をあけるとこう言った。
虫「てっちゃんはさ、今好きな人とかいる？」
「何から何までほんとに突然だな。」
虫「いいから。」
「んー、今はいないかな
というか、しばらくいねぇな」
虫「彼女作りたいとかは思わないの？」
「前は思ってたけど、撮影やら編集やらで忙しいし
いてもいなくても、って感じ」
虫「そっか」
「なに、彼女作れとでも言いたいんか？」
虫「いや、そうじゃなくて。
てっちゃんに彼女ができないのを気にしてる人がいたからさ」
「…それってもしかして、A？」
恐る恐る尋ねると、驚いたような表情で俺を見つめる虫眼鏡。
「え、何だよ？」
虫「あの鈍感なてっちゃんが人の気持ちを汲み取るなんて珍しいなと思って」
「さらっと失礼だな。
ちげえよ、さっき酔ったAが
私のせいで幸せになれなかったらごめんって」
虫「Aがそんなことを…？」
「俺だって最初は何言ってんだがわかんなかったよ。
でも、Aは唯一の女子メンバーで、
自分が一緒にいるせいで俺に彼女ができないんだと思ったんじゃ…
あってるかな？」
虫「その通りだよ。」
「しょーもないよな、そんなこと考えなくていいんだっつの」
虫「どうして？これはAの優しさでしょ」
「そんな押し付けがましい優しさなんていらねぇよ。
Aと一緒にいれなくなる方が嫌なだけだ」
あれ、俺なんかクサいこと言った…？
なんて思ったときにはもう遅かった。
虫「そっか、てっちゃん
やっと自分の気持ちに気付いたんだね」
「え？え？は？ちょっと待って？」
虫「なんだよ」
「俺今めちゃめちゃやばいこと言った？」
虫「やばくないよ、好きなら当然でしょ」
「いや俺、好きなんて一言も…」
どんどん話を進めるのを止めようと、
否定の言葉を口にすると
虫眼鏡は形相を変えて立ち上がった。
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ハル(プロフ) - りんごパイさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもよろしくお願いします！ (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7177ba363e (このIDを非表示/違反報告)
りんごパイ - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年1月26日 5時) (レス) id: 4e652dc6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2018年1月12日 16時
