3 やきもち ページ6
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スンさんはいつも安心させてくれるから
スンさんを信用しているから、忘れていたんだ
わたしは、すごくやきもち焼きだってこと。
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「 今日は、どうしようかな。
おれの家と、ゆずちゃんの家の
ちょうど中間あたりにいるんだけど！ 」
夜の22時。
電話口の、うれしそうな声。
わたしの家にいきたいってことだって、
よくわかるんだ。
胸が苦しい。
涙が溢れそうになって、我慢する。
「 わたし、もう寝ちゃうから
スンさん、自分のおうちでゆっくり休んでください 」
なんとか、いつものように振る舞えた。
そう、私が、思っただけだったかもしれない。
「 うん、わかった 」
ますますやさしくなるスンさんの声。
あまりに優しすぎるから
きっとばれている、泣きそうになっていること。
胸が苦しくて、ついに限界がきそうになる。
「 おやすみ 」
「 おやすみなさい 」
だいすきなやさしい声に耐えきれなくて、
電話を切ると
すぐにぼろぼろ涙が溢れた。
スンさんと付き合ってから
泣いたのは、初めてだった。
聞いちゃったんだ、
聞いてもいいことないのに
スンさんとの共通の友達と
たまたま会って
たまたまその話になってしまった。
スンさんが
前に、付き合っていた人の話。
考えたこともなかった。
スンさんにも、わたし以外の人との恋愛がある。
当たり前のことだ。
「 美人で大人っぽい人だったよ。
よく一緒に海外へ旅行に行ってた。」
案の定、その友達は
デリカシーもなく話し続けるもんだから
わたしは知る必要のない情報をたくさん知ってしまった。
気持ちが顔に出てしまっていたんだろう。
話し終わったあとに彼はわたしの顔を見て
しまった、という顔をして謝ってきた。
胸がいっぱいいっぱいで苦しかったけど
大丈夫、と笑顔で返した。
前の恋人の話くらいで傷つくなんて、思わないだろうから。
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作者名：は | 作成日時：2020年10月16日 1時
