. ページ14
.
「 ほらぁ、父親ってさ、そういうもんだと思わない?
いくら振り回されたって、かわいいからさ
なんでもしてあげたくなっちゃうの 」
うんうん、たしかに 。
世の中のお父さん方、そういう人多いんじゃないだろうか。
そして、漏れなくスンさんもその典型にはまる、と 。
いや、もうそれだけで
幸せな妄想がはかどるよ 。
スンさんが、パパ、、
「 あと、もうひとつ大事なことある 」
「 うん、なに ? 」
「 いっぱい、尽くしてくれるところ 。
たぶん、ゆずちゃんは
父の日でもないのに、お父さんに絵とかプレゼントしてさ、
一緒にお風呂入ろうって甘えてさ、
10数えてから一緒に出ようね、パパ、とか言ってさ、
お父さんが慣れない料理した日には、
おいしい、また作ってね !
って、口にご飯つけて笑顔で言ってくれるんだよ、、うっ、、
かわいい、、 」
わたしの胸に倒れ込むスンさん 。
倒れ込んだあと 上目遣いで見つめてくるけど、
あなたの隠された妄想力に、びっくりだよ 。
うん、でも、よくわかった 。
この人は、娘になってほしいとか言って、
ただ単に、のろけているだけ 。
わたしの、すきなところを並べているだけ 。
酔っ払いめ、やらかしたな、
得したよ、わたしは。
「 かわいいね、、」
ほら、結局、こうやってわたしを見つめて
真っ赤な顔でにこにこして、抱きしめてくる。
わたしのパジャマをめくって、
お腹に顔を埋めるスンさん 。
すべすべの鼻が、おへそにフィットしてる 。
「 ぷよぷよ、、
筋トレしてるのに、なんで、ぷよぷよ、、
なんでだ、あ〜、 すき、すきすき、、 」
うん、得だ、得。
スンさんがお酒に弱いのは、わたしには得しかない。
こういう姿がみられるんだもの 。
.
16人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:は | 作成日時:2020年3月7日 0時