ロマンスな出会い【梅原裕一郎】 (ページ35)

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凄まじい顔ページ35

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私が八代さんの担当になってからというもの、行動一つ一つに嫉妬しているのを知ってから梅原さんが可愛く見えて仕方がない。
行ってきますのチューをする前に敢えて彼以外の男性の名前を出すと、あからさまに嫌そうな顔をするのだ。

『今日の現場はラジオなんですけどゲストが西山さんなんですよね〜』
「は？なんで西山？ふざけんな」

全くふざけていない。これは仕事です。

『じゃあ行ってきます！梅原さんもお気を付けて』
「ん」
『ふふ…あれっ』

早速、チューでもするかと思って顔を近付けたら、ひょいと避けられた。なんで。

「うぜぇこと言う奴にはしない」
『えー、ごめんなさい』
「許さん。早く行け」
『はーい。行ってきます』
「行ってら」

結局チューは出来なかったけどいいのです。可愛い梅原さんが見れたのはとても貴重だから。

スタジオに着いて打ち合わせを終えたあと廊下に出たら江口さんが向かい側から歩いてきた。

「あ、Aちゃん。お疲れー」
『お疲れ様です』
「聞いてよさっき梅ちゃんがさ、俺の尻叩いてきて大変だったんだから」
『え！それはすみませんでした！よく言って聞かせます！』
「よろしく頼むね。じゃあまた」
『はい！』

あれ、親なのかな私。よく言って聞かせますって私が小さいころしょっちゅうお母さんが言ってた気がするんだけど。

一日の仕事を終えて帰宅すると、梅原さんがゲームをしていた。親戚の子とやっているらしい。

「あ、Aちゃん帰ってきたよ」
「Aちゃんおかえりー！」
『ただいまー！』

梅原さんの親戚の子とは私も何故か連絡先を交換するくらいの仲になっている。連絡の内容はほどんどゲームだけど。

電話越しで「Aちゃんだ！」と言ってる声が聞こえてきて嬉しくなった。隣にいる梅原さんをチラ見すると凄まじい顔をしていたけどね。