アイを探しに２ (ページ5)

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家路に着く。
相変わらずボロいアパート。

「あ、照とAちゃん」

「あー阿部ちゃんおはよ。」
「おはよー。珍しいね。二人して」

ちょうど玄関前で阿部ちゃんと鉢合わせした。
おそらく夜勤明けだろう。

「うん、珍しく出掛けてきた」
「へぇほんと珍しいね」
「まぁねー阿部ちゃんは夜勤明け？」
「そう。俺は帰ってバタンキューするわ。」

私と照に手をヒラヒラさせて部屋に入っていった。夜勤明けだろうがやっぱり何時でも爽やかな人。

「相変わらず朝から爽やかだな」
「んふふ、だね」

照と同じ事を考えていたのがちょっと、嬉しくて思わず笑う。
あぁ、こうやって同じ感情を抱く事がこれから増えていくのかな？
何笑ってんだよ、だなんて言われても気分がいい私は反抗しない。

部屋に入って、いつもの定位置のベッドに腰掛けてポケットに入れてたタバコを取り出す。
照も私の隣に座る。
この行動の流れも何度繰り返しただろう。
私がライターで火をつけてそのライターを照に手渡す。

「お前さ、」

「ん？」

照はゆっくり私を見る。
イカつい顔。でも怒っているワケじゃない。
顔を見ただけで感情を汲み取る事もできるようになった。

照は指に挟んでたタバコを口に咥えて立ち上がった。
私はその行動をじっと、見つめた。

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