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ーAsideー
『私って結構いけるじゃん』
口の周りについた血を腕で拭う。
口の中に広がる旨味と甘味。永遠に喰っていられそうな味だ。これは誰にもやりたくない。
特にあの
痛みを感じない私はどれだけでも自分のことを食べることができる。ただ一つ不便なことといったら
限度がわからないということだ。一体どこまで喰っていいのか。
肉を喰うと喰った部分がゆっくりと再生されていく。
空腹は若干満たされる気はするが、失われた肉の再生に栄養が使われてしまうためにあまり意味は
ないように思える。
「おい」
どすの利いた声に体がびくりと揺れる。
『やっほー、寺坂』
「…てめえ、んでこんなとこにいるんだよ」
『遊んでた』
「はぁ?さっきまでプールにいただろ?」
『なんで知ってるの…?ストーカー』
「ちっげーよ!!!」
イラついている寺坂に服を掴まれ無理やり立たされた。
『おっと、何?』
「…
『まぁね』
「ちっ、…気づいてたとしても知らないふりしとけよ」
寺坂が乱暴に服を離したもんだから足を挫き近くの木にぶつかった。
木の枝にとまっていた鳥が一羽、慌てて飛んでいく。
だめだよ鳥さん。私から逃げないで。
ー
「で?何でてめぇはついてきてんだよ」
『暇だから…?』
「授業受けろサボリ魔」
私は口に手を当てて態とらしく吹き出す。
『えぇ〜!?寺坂クンがそれを言っちゃいますか!?ww』
「るせぇ!!今日は…あれだ。水着忘れたんだよ」
『…私の貸してあげようか?』
「ご丁寧に遠慮しておくぜ」
『ご丁寧に…!?そんな言葉を使うことができたのね!!』
「…おまえのテンションついていける気がしねぇわ。つうかさっさと俺の前から消えろよ」
『え?やだ』
業を帰らせてまで寺坂のところに来たんだからこんなところで引けない。
さっきからそわそわしてるしどこか具合が悪いんじゃ。
この猛暑だと熱中症になってもおかしくないし。
ん?違う。具合が悪いんじゃないみたいだ。周りをすごく気にしているように見える。
誰かが見てる?
『っ!?』
嫌な視線を感じ、背筋がゾクっとした。
こんなに暑いのに鳥肌が立ち、冷や汗が垂れる。
「…?んだよ」
『…寺坂、さっき気づいても知らないふりしとけって言ったよね』
「言ったな」
『…邪魔
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mh - いつもクオリティの高いお話をありがとうございます!応援しています‼ (2022年2月23日 1時) (レス) id: 6608c57345 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - ミライアルさん» ありがとうございます!更新ペース上げられるよう頑張りますね!! (2019年4月20日 19時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
ミライアル(プロフ) - うぉー!なんか続きがめっちゃくちゃ楽しみっす!更新頑張ってください!応援してます! (2019年4月20日 13時) (レス) id: b0af308e1c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます!!よかったです!倒れない程度に頑張ります!! (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - 第5弾おめでとうございます! すごく面白かったです(^_^) 更新、無理しない程度に頑張ってください! (2019年4月2日 23時) (レス) id: 4b077ed0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:eye | 作成日時:2019年3月24日 23時