220:鷹岡様の言う通り ページ20
ーAsideー
『危なかった…』
安心したのもつかの間、みんながいる方に目をやると前原が腹を抑えて支えられている。
訓練中に蹴りがヒットしたのかなとも考えたが、雰囲気からしてそうではないらしい。
みんなが恐怖の視線を浴びせているのは他でもない鷹岡明。
こちら側からでは見えないが、鷹岡の腕の中には誰かがいるようだった。
もし前原が鷹岡にやられたんだとしたら、今腕の中にいる誰かも危ない。
足の筋肉のつき方からして女子だな。
渚がこちらに気付いたようだったが、私が口の前で人差し指を立てると静かに視線を外してくれた。
気づかれないように慎重に…
「な、お前は父ちゃんについてきてくれるよな？」
「は、はい…」
鷹岡の腕の中から立ち上がったのは有希子だった。
「はい」と返事をしたことに少し安心をする。今は素直に従って、時間稼ぎをして欲しかったから。
出来るだけけが人は出したくない。
「私、私は…」
有希子は泳がせていた目を鷹岡に向ける。
まずい。反抗する気だ。
「私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」
鷹岡が手を振り上げる。
『杉野！』
有希子の近くにいた杉野を呼び、走って有希子を突き飛ばした。
「きゃっ！！」
よろけた有希子は尻餅をつきそうになるが、それを杉野が支える。
『お！ナイス杉野！』
杉野に向かってグッドサインを送ると、思いっきり頬をひっぱたかれた。
「Aちゃん！！」
「A！！！」
口の中に広がる血の味。
全く痛くなかったが地面に倒れるふりをする。多分こいつは私が喰種だってまだ知らないはず。
人間を演じないと。
あーあ、めんどくさい。喰種だってバレてるなら思いっきりぶん殴ってやるのに。
どうすんのさ。このなんとも言えない空気。
「やめろ鷹岡！！」
焦った声の主は烏間。烏間は私に駆け寄ると首元に手を当てた。
「首の筋に痛みはないか」
『痛み……ないです』
「前原くんは？」
「へ、へーきっす」
平気ではなさそうだけど。内臓大丈夫なのかな。
こいつ寺坂よりゴリラっぽいし。脂肪だと思ってたの筋肉なんじゃない？
「ちゃんと手加減してるさ烏間。大事な俺の家族なんだ。当然だろ？」
鷹岡の後ろに立つのは真っ赤なタコ。ゆでたてのタコ。
「いや。あなたの家族じゃない。私の生徒です」
「「殺せんせー！！」」
タコ先生。正論言えるのね。
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mh - いつもクオリティの高いお話をありがとうございます！応援しています‼ (2022年2月23日 1時) (
レス) id: 6608c57345 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - ミライアルさん» ありがとうございます！更新ペース上げられるよう頑張りますね！！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
ミライアル(プロフ) - うぉー！なんか続きがめっちゃくちゃ楽しみっす！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年4月20日 13時) (レス) id: b0af308e1c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！！よかったです！倒れない程度に頑張ります！！ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - 第5弾おめでとうございます！ すごく面白かったです（＾_＾） 更新、無理しない程度に頑張ってください！ (2019年4月2日 23時) (レス) id: 4b077ed0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年3月24日 23時
