41・ ページ41
ーAsideー
『…それで、話ってなんですか？』
「だから、昨日の続きよ」
思わずため息が漏れる。
「ため息つきたいのはこっちよ。こうやってあんたを呼び出す手間がかかったわ」
『じゃあ呼ばなきゃいいじゃないですか』
「あんたのためにやってんのよ？」
『別に頼んでないですけど。それに、こうやって呼び出すのがなんのためになるんですか？
私だって時間を奪われているんです。無駄な時間は過ごしたくない』
「そうね。私も無駄な時間は大嫌いよ」
『じゃあ早く本題に入ってください』
「……あんた、小学校も前の中学校もろくに行ってないそうじゃない」
『それが何ですか？』
「あんたのために色々教えてあげようと思って。マナー、人との接し方、それから」
『必要ないです』
「…」
『小学校も中学校もろくに行ってないからなんですか？ばかにしてるんですか？
いい加減にして。何も知らないくせに勝手なことばっかり言わないでください！！！』
頭にきた。
小学校、中学校はおろか、幼稚園や保育園すらも行っていない。
事実だから何も言えない。言わない。
だけど行けるわけがない。
ちゃんと理由があるのに、言えないのがもどかしかった。
もう言ってしまおうかとも思った。
だけど、こんな早くから人生をぐちゃぐちゃにしたくないからやめた。
『私もう行きます。もう呼び出さないでください』
イリーナ先生を睨み付けるとさっさと職員室を後にした。
ー
「あ！大丈夫だった？東雲さん」
潮田渚が心配そうに近づいてきた。
『大丈夫じゃないですよ…。私はあの人が苦手です』
「そっか」
苦笑いをされる。
これはどういう意味の苦笑い？
「東雲さんって髪綺麗だよね！」
少し遠くから話しかけてきたのは倉橋陽菜乃と茅野カエデだった。
『そうですか？』
「うん！東雲さんの髪いじりたい！」
二人はきゃっきゃしながら近づいてくる。
輝いた生き方をしている人を女子力があるとお姉ちゃんから聞いたことがある。
つまりこの二人は女子力が高い。
「結んでいい？」
『どうぞ』
二人が私の髪を優しく触る。
頭を撫でられている感じがして少しくすぐったかった。
数分後、髪はまとまったようだった。
「できた！！」
「可愛い！」
「似合ってる！」
自分ではどうなっているか分からず、頭を触って確認するもよく分からなかった。
でも、似合ってるならいいや。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
