37:唐揚げ ページ37
ーAsideー
あ、金木さんとの訓練忘れてた。
それに気づいた時にはもう朝だった。
今日はウタさんとこ寄らないで帰ろ。
毎朝恒例の伸びをする。
『っ、はぁ』
鏡の前に立つ。
前髪が寝癖で変な方向に上がっている。
まだ眠そうな自分の顔に喝を入れる。
パン！と、いい音がした。
ジンと熱くなるほっぺ。
『おはよう自分！！』
制服に着替えて机の上に置いてある櫛で前髪を整える。
髪をいつもより高い位置で結ぶ。
『んー、こんなかな？』
荷物を持って下に降りる。
今日も珈琲のいい香りがした。
「おはよう、A。今日早いね」
『おはよ。なんか気合入ってるんだよね』
「何に？」
『わかんない。自分でも謎だよ』
金木さんはなにそれ、と笑って、珈琲をくれた。
『ありがとう』
今日はいつもより濃い味がする。
気のせいかな…。
『金木さん、昨日訓練忘れてた。ごめん』
「いいよ。Aも疲れてるだろうし、無理しないで」
『自分から言っといて忘れるとか、「A！」…もう。ちょっと行ってくる』
「うん」
朝からなんなんだ。と、少しイライラした。
『なに？』
「今日一人で学校行って」
『なんで』
お姉ちゃんは布団にうずくまったまま言った。
「依子」
『依子さん？あ！またお弁当もらったの！？』
「…唐揚げ。……美味し、かった」
『美味しいわけないじゃん！ほんっとにもう！！無理しないでって言ってるでしょ！』
「だって、私のために」
『そうかもしれないけど！…こうやって学校休んだら依子さん心配するよ…』
「…じゃあ学校行く」
『そういうことじゃないよ。はぁ、もういいから』
立ち上がろうとしていたお姉ちゃんをベッドに戻す。
『依子さんがお見舞いに何か持ってきても食べちゃだめだよ？』
「わかってる」
『じゃあ、行ってきます』
最初に校舎に行った時以来だな。一人で学校行くの。
「トーカちゃん何だって？」
『体調悪いんだって』
私は呆れ顔でお兄ちゃんに言った。
「珍しいの？」
『んー、割とそうでもないかも。特に最近は』
「何でだろう」
『依子さんだよ』
「依子さん？」
『お姉ちゃんの友達』
「その人が原因なの？」
『そう。やっば！！もうこんな時間！？行かなきゃ！！行ってきます金木さん』
「行ってらっしゃい」
早起きしたのに出るのがいつもより遅いって…。
意味ないよ。
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eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
