26:私には、 ページ26
ーAsideー
小鳥のさえずりで目がさめる？
やめてよそんな夢みたいなこと想像させるの。
現実に戻りたくなくなる。
そう。私が起きたのは……
「さっさと起きろ！！遅刻するぞ！」
『あ〜い』
閻魔様の怒り声。
「早く下降りてこい！」
『はーい』
なんで朝から不機嫌なんだい。お姉ちゃん。
『わぁお、今日も珈琲のいい香り！』
「おはようA」
『おはよう金木さん』
金木さんのほっぺたの腫れはやはり引いていた。
治癒力はそこらの喰種並みにはあるらしい。
あざにもなってないし。
「時間ないからいくぞ」
『え！？珈琲飲ませてよ！！』
「そんな時間ないっつーの」
『えぇぇえー！！そ、そんなぁ』
「あ、あはは。帰ってきたら用意してあげるよ」
『毎朝の珈琲を楽しみに生きてるのにぃ！！』
「だったら早く起きろよ」
正論すぎて何も言えない……。
『行ってきます』
「行ってらっしゃい！」
にこにこしながら見送ってくれる金木さんは少し困ったような顔をしていた。
さっさと歩くお姉ちゃんの後をついていく。
『あ、そう言えばお姉ちゃん』
「何」
『お弁当ってどうしてるの？』
「パン買って食ってる」
『うへぇ。一応聞くけど何パン？』
「ジャムパン。それが一番食べやすい」
『あー、なるほど』
「Aは？今日の昼どうすんの？」
『どうしよう。何も買ってないんだよね。
中学でしょ？ましてやあのオンボロ校舎でしょ？あれあるわけないよね。
…なんだっけ？よくお姉ちゃんが話してるやつ』
「あー、購買？」
『そうそう』
そのあとお昼どーしよーとか言ってたら、あっという間にお姉ちゃんと別れる場所まで来ていた。
「じゃあ、頑張れよ」
『うん。お姉ちゃんも』
これから坂を登って学校に行く。それは別になんの問題もない。
私にとって問題なのは。やはりお昼ご飯だった。
ー
しばらく歩くと校舎に続く坂までついた。
気分がぐんと沈む。
ここは魔法の坂か何かなのか。
私に帰りたいという衝動を与えさせる魔法の坂なのか…。
だとしたらなんて最悪な魔法なんだ。
一歩を踏み出すのに時間がかかる。
「あ、東雲さん！」
ビクッと体が跳ね上がる。
「そんなにびっくりしないでよw良かった。今日来ないかと思った」
『えっと、』
誰、この人。
「私、倉橋陽 菜乃！よろしくね」
なんだこの人。
笑顔が眩しすぎる。
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eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
